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外国人が求めるおもてなしを理解しよう|ポイントと注意点

近年、外国人観光客の日本滞在をより満足度の高いものにするため、「おもてなし」の充実が注目されるようになりました。

外国人のお客様が多いお店なら、日本ならではのおもてなしを意識していることも多いでしょう。ここでは、外国人が求めているおもてなしの紹介や注意点をまとめました。

インバウンドが減少している今、外国人観光客のお客様に来店いただいた際「日本に来て良かった」と喜んでもらえるように、今のうちから準備をしておきましょう。

日本の「おもてなし」の定義

平安時代に書かれた源氏物語にも、「もてなし」という言葉が綴られていたことから、「おもてなし」という言葉は、古くから存在していました。

「もてなし」を漢字で書くと「持て成し」となります。これは、何かを使って物ごとを成し遂げるという意味です。この「何かを使って」の部分に当てはまるのが、「心」です。

そして、もうひとつの語源に「表裏なし」というものがあります。これは、裏表のない心で客人を迎えるという意味です。

おもてなしと比較される言葉に、マナーやサービス、ホスピタリティがありますが、これらは、おもてなしと意味が異なります。

マナーは「相手を不快にさせない行儀作法」、サービスは「利益のために行われること(対価を得ること)」、ホスピタリティは「優しさや慈しみの気持ちから、保護が必要な人に向けて提供するもの」です。

それに対し、おもてなしは「もてなす側が要望を言われる前に応えること」で、日本独自の概念といえます。

おもてなしは、目配り・気配り・心配りとも呼ばれ、主張しすぎず控えめなものなのです。「大事な客人を迎えるとき、心をこめて準備をする」これは目に見えない心遣いですが、もてなす客人に対し余計な気を使わせない、おもてなしの本質ともいえます。

外国人が求めるおもてなしとは?

日本と海外とでは文化が異なるため、外国人観光客をおもてなしするには、外国人が求めるおもてなしをしなければなりません。

先ほど、おもてなしの定義を紹介しましたが、外国人の場合は、日本古来の「おもてなし」の感覚とは少し違う「おもてなし」を求めていることもあります。

日本らしい文化

日本に来る外国人観光客の多くは、母国では体験できない日本らしい文化に触れたいと思っています。

とはいえ、近年の日本は海外の影響を受け、日本独自の文化は薄れているのではと感じている方もいるでしょう。

しかし、普段から意識せずとも日常的に日本らしい文化は定着しています。例えば、お辞儀の動作です。

相手への敬意を忘れず、深く頭を下げるお辞儀は、日本では当たり前に行う挨拶ですが、外国人観光客にとっては非常に珍しく日本らしい文化といえます。

お辞儀の仕草は、外国人の方に美しいと感じてもらえるだけでなく、歓迎の気持ちを表現することもできます。

さらに、履物を出口へ向けて揃える行動も、日本らしい文化として喜ばれます。海外の多くの国では、靴を揃える習慣がありません。

そして、お土産を包む「包装」にも注目が集まっています。美しい包装紙はもちろん、お土産や贈り物を器用に包むのは、日本らしい文化です。昔から使われてきた風呂敷に包んで渡すのも、大変喜ばれるでしょう。

このように、日本人が意識せず常識として身につけてきたことが、外国人観光客には魅力的に映ることがあります。

「日本らしい文化とは」と難しく考えなくても、相手を思いやる気持ちがあれば、日本人なら自然にできることでも喜んでもらえるでしょう。

日本らしい環境

外国人観光客が、日本に来て素晴らしいと思うことのひとつに、「時間を守る」ことが挙げられます。海外に行ったことのある方ならわかりますが、外国と日本では時間感覚に大きなギャップがあるのです。

外国人観光客は、日本の電車やバスが時間どおりに到着することに驚きます。もし数分遅れた場合には、謝罪のアナウンスが流れるところにも日本らしさを感じるようです。

そして、日本は衛生的で美しいと感動する外国人はたくさんいます。お店の中はもちろん、公衆トイレや道路もゴミが落ちていることはめったにありません。多くの外国人から、日本は衛生管理が徹底されていると高評価を得ています。

また、接客の質が高いのも、外国人観光客から見た日本らしい環境のひとつです。お店によっても方針は異なりますが、ほとんどのお店では笑顔で気持ちの良い対応を心がけています。

海外では、飲食をしながらレジの対応をしたり、友人と話しながら接客対応したりすることもあるため、驚かれることが多いのです。

そして、丁寧な接客をするにも関わらず、チップのような見返りを一切求めないことも日本らしいと喜ばれます。

外国人に向けたおもてなしにも注意が必要

多くの外国人観光客は、慣れ親しんでいる文化や環境が日本と大きく異なります。間違ったおもてなしをしてしまうと逆効果になることもあります。

外国人観光客に向けたおもてなしの注意点を3つ紹介します。

外国人のニーズを理解できていない

日本人の中には、「これをすると外国人が喜ぶ」「海外の人はこれが好き」など、先入観を持ちすぎていることがあります。

外国人観光客とひとことでいっても、個人によって求めていることや喜んでもらえることは変わるので、顧客のニーズをしっかりと調査しておくことが大切です。

外国人観光客が求めていることや好きなことを知るためには、直接聞くかアンケート調査を実施する方法がもっとも確実で、生の情報として重宝します。そうはいっても、言葉の壁が立ちはだかり、多くの情報を集めるには苦労することでしょう。

そこで、クラウド通訳の導入をおすすめします。クラウド通訳なら、英語や中国語をはじめとする6ヶ国語に対応しているため、多くの国の方を対象とした聞き取りやアンケートが可能です。

使い放題プランをはじめ、60分プラン、20分プラン、多店舗経営向けの10アカウント以上プランなど、自社に合ったプランが選べます。

インバウンドが減少しているこの機会に導入を検討して、外国人観光客に喜ばれるおもてなしの調査を実施してみてください。

過剰なおもてなしにならないように

海外から長い時間をかけて日本に訪れてきた外国人観光客に、最大限のおもてなしをしようと心がけたいと考える方は多いでしょう。

しかし、良かれと思って行ったことでも、異文化から来た外国人観光客にとっては過剰サービスとなってしまうケースもあります。

お客様に対して質の高い接客をするのは当たり前のことですが、過剰サービスとして受け取られてしまうと、居心地の悪さや不快感を与えてしまう可能性があります。

おもてなしとは、媚びへつらう行為ではありません。お客様にサービスを押し付けてしまうような、行き過ぎたおもてなしにならないようにしましょう。

もてなす側が予想していないことも

日本とは文化が異なる国から来た外国人観光客の場合、もてなす側が予想していなかった要望を申し出ることもあります。たとえば、「宗教上食べられない食材があるから、特別な食事を用意してほしい」といった要望です。

日本では、マニュアルのない特殊な要望に対して「申し訳ございませんが…」と断ってしまう傾向があります。しかし、このように相手を突き放すことは、外国人観光客が不満を感じてしまう可能性があります。

予想をしていない要望の対応が求められた場合は、すぐに断るのではなく、ある程度柔軟性を持って要望に沿えるように心がけましょう。

また、そのような要望を少しでも減らすためにも、顧客のニーズを調査することは重要といえます。

まとめ

日本に来てくれた外国人観光客には、「日本は良かった」「おもてなしは素晴らしい」と喜んで帰って欲しいものです。

通訳サービスなども活用して、外国人観光客が望んでいることや嬉しいことを聞き出すことは、今後のおもてなしの改善へとつながります。最高のおもてなしができるよう、準備しておきましょう。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)