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多言語対応の課題とは?外国人が困ってしまう意外な落とし穴

インバウンド対策として代表的なものが、多言語対応です。日本語でコミュニケーションを取ることのできる外国人観光客が来店することもありますが、ごく一部でしょう。

近年は手軽に多言語対応できるサービスやツールも数多くリリースされており、さまざまな業界で活用できます。しかし、いざ外国人観光客が来店してみると、活用できているとはいえないケースもあることをご存知でしょうか。

ここでは、多言語対応を進めるうえで把握しておきたい、課題や失敗例についてご紹介します。

多言語対応の基本とは?

多言語対応は観光客に限らず、多くの外国人が日本で快適に過ごすために重要なものです。基本的な対応方法は、以下の2通りがあげられます。

店や施設の多言語対応 ホームページの多言語対応
・メニューの表記
・店内・施設内の案内の表記
・外国語ができるスタッフの常駐
・日本語から外国語ページへの翻訳
・表示言語を選べる機能の導入

 

日本で過ごす以上、飲食店やテーマパーク、大型商業施設など店や施設を必ず利用します。近隣に似たような店が多い場合、多言語対応の有無が客数に大きく影響するでしょう。

また、インターネット上で話題となったスポットであれば、外国人は旅行前に公式のアクセス情報などを参考にするため、ホームページの多言語対応も必要です。

いずれにせよ、多言語対応していない施設やホームページは利用方法がわからず、欲しい情報も得にくいため、外国人に利用を避けられてしまいます。

多言語対応については、以下のページでさらに詳しく解説しています。

関連記事:
・外国人への対応で絶対やるべき多言語対応!おすすめの4つの方法

多言語対応で発生している課題

多言語対応をしても、外国人の来店客数が伸び悩んでいるという場合は、対応方法になんらかの課題や問題が生じている可能性を考えてみましょう。

単純に外国語表記を増やせば良いということではありません。多言語対応で生じやすい課題や問題として、以下の4パターンがあげられます。

多言語表示が見えづらい

多言語対応で多い失敗のひとつが、「表示が見えづらく、気付いてもらえない」ことです。たとえば既存の看板の下に、英語訳を印刷したテープを貼り付けたのみで終わらせていないでしょうか。

大きな看板の下に小さな文字で外国語を追記する方法は、各自治体の公共施設でも多く見られる例です。しかし文字が小さすぎれば気付いてもらいにくく、気付いたとしても読めない問題が生じます。

また、必ずしも表記している外国語が理解できる国からの旅行者とは限りません。言語が理解できていなくても表示内容を推察できる工夫として絵やピクトグラムがあげられますが、積極的に取り入れている店・施設は多いとはいえないのが現状です。

外国人が理解しづらい翻訳になっている

コスト重視でインターネットの翻訳機能を使用したり、辞書を片手に自力で翻訳したりする場合に多い失敗が、現地の人にとって理解しづらい文章で表記してしまうことです。

日本の場合、注意事項を「〇〇しないでください」と表記しますが、外国語では「××できます」「〇〇に注意してください」など書き方が若干異なることがあります。インターネットの翻訳機能など自動翻訳サービスを使用すると、日本語をそのまま翻訳するため、このようなわずかな違いや文化の差を反映させることができません。

結果、その国では使われない表現になったり、理解しづらいものや失礼な書き方になったりしているおそれがあります。

店や施設によって書き方が異なる

日本語でも同じ場所を指す言葉が、店や施設によって異なっています。(トイレを「洗面所」「お手洗い」「パウダールーム」と表示するなど)

多言語対応にも同様の特徴は見られ、店や施設ごとに表示が大きく異なっており、外国人利用者の混乱を招く要因といえます。

外国語に翻訳する場合で起こりやすい例は、駅の出口表記で多い「新南口」をNew South Exitと表示するか、Shin-Minami Entranceと表示するかの違いです。

店員の言語スキルが不足している

日本の丁寧かつスピーディーな接客は、外国人も高い満足度を感じています。一方で課題としてあげられやすいのが、スタッフの言語スキルです。

簡単な単語での質問もできない、話しかけようとすると躊躇されるなど、十分なコミュニケーションが取れないことに不満を感じている外国人客は少なくありません。

外国人の利用客の中には英語を母国語としない層も多く、必ずしも高い言語スキルを求められているわけではないため、最低限のやり取りで十分満足してもらえます。流ちょうな外国語での対応ができないスタッフも、なんらかの方法で接客・対応できるよう工夫が必要です。

関連記事:
・インバウンド対策、どうする?–外国語での接客対策が知りたい

多言語対応の課題の解決策

多言語対応の効果が感じられない場合は、前述したような課題はないか現状を確認し、適切に対処することが大切です。

具体的な解決策として、以下の4つの方法があげられます。

写真やピクトグラムを活用する

写真やピクトグラムで、言語に頼らない解説を取り入れる方法がおすすめです。特に飲食店はニュアンス的な解説が言語では難しい場合が多いため、料理名の多言語表示のみでは伝わらない可能性があります。

写真付きメニューや食品サンプルなど見た目がわかる表示方法を積極的に導入することで、外国人は安心して注文できるでしょう。

日本独自の調理法を取り入れた料理など、外国で馴染みのないメニューは簡単な概要を加えることもポイントです。宗教やアレルギーに配慮した表示も、現代において必須といえます。食材ピクトグラムを活用すると、見た目もすっきりします。

自動翻訳ではシンプルな文章を心がける

自動翻訳で変換した言葉は、意図するとおりに翻訳されるとは限りません。特に無料のツールは精度が低く、まったく異なる意味の文章が仕上がることもあります。

そのため、自動翻訳を使用する場合は可能な限りシンプルな文章にまとめるよう心掛けましょう。

・長い文章は短くする(一文中に複数の内容を込めない)
・主語・述語を明確に書く
・翻訳しやすい単語に変える

ポイントは、上記の3つです。ひとつの文章に複数の内容を含んでいると誤訳されやすいため、シンプルにひとつの目的・解説のみに留めましょう。

たとえば「本日は〇〇のためご利用いただけませんが、明日□□時から再開します」などの文章は複数の内容が含まれており、誤訳される可能性があるため注意が必要です。

また、日本語は主語・述語を省略しても相手に伝わる特徴を持っていますが、外国語の場合は主語・述語を丁寧に書かなくては翻訳されにくくなります。くどい言い回しになっても、主語・述語は明確にしましょう。

「小人」など誤訳しやすい単語は、あらかじめ「子ども」「子供」などわかりやすい単語に変えてから自動翻訳にかけることも誤訳を避けるコツです。

施設間で連携する

施設間で表記を統一する工夫も必要です。地域ぐるみや業界全体で統一するなど、できる範囲から表記・解説のゆれを改善していきましょう。

すでに「東京都長期ビジョン」では、複数の交通機関同士が協力・連携してわかりやすい案内表記を実現することが策定されています。外国人が多く訪れ、居住する東京都において、駅施設ごとの表記の統一や運行障害発生時の多言語案内などが盛り込まれた「世界一の都市・東京」を目指すための目標です。

コミュニケーションは積極的に

店や施設で働くスタッフは、今後はこれまで以上に外国人とのコミュニケーションに慣れていく必要があります。最低限の外国語での接客用語や、わかりやすい日本語でのおもてなしを、スタッフ教育に取り入れてはいかがでしょうか。

翻訳ツールや接客会話シートなどのサービス・アイテムを活用すると、難しい言語を正確に覚えずともスムーズなコミュニケーションが取れるようになります。

より自然で細部にまで配慮したコミュニケーションを取りたいのであれば、クラウド通訳がおすすめです。クラウド通訳はリアルタイムで「通訳さん」が通訳してくれるサービスで、以下の特徴があります。

・インターネットにより遠隔地からサポートが可能
・「人」だからこそできる、質の高い通訳を提供
・呼び出しはタブレットやスマホからワンタップのシンプルな操作
・6カ国語に対応(英語、中国語(北京語)、韓国語、タイ語、ベトナム語、ポルトガル語)

生身の人間がやり取りをサポートしてくれるため、専門的な単語での対応やニュアンスの違いをくみ取った対応ができ、こまやかな接客ができます。

手軽に呼び出せるためお客様を待たせることもなく、安心感もあることから積極的にコミュニケーションを取れるようになる点もクラウド通訳ならではのメリットです。

まとめ

外国人の利用が想定される店や施設は、インバウンド向けコンテンツの有無に関わらず多言語対応が求められています。すでに対策していても効果が感じられないという場合は、多言語対応の方法に課題が潜んでいる可能性を考えてみましょう。

表記が不親切であったり、そもそも誤訳していたりと、多言語対応は方法を間違えると十分な効果を得られません。

ピクトグラムなど文章以外の表示や、他社・他施設との連携をとって表記内容を統一するなど、利用者側の目線で使いやすさを追求することが大切です。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)