インバウンドはいつ戻るのか?インバウンド回復に向けた対策

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新型コロナウイルスの世界的流行を受け、日本国内のさまざまな企業でインバウンド需要が大幅に減少しました。

今後、日本におけるインバウンド需要は回復していくのでしょうか。また、インバウンド需要を回復させるためには、どのような戦略を取っていくべきなのでしょうか。

この記事では、日本国内のインバウンド需要を回復させるためのカギや、今後の回復見込みについて紹介します。

さらに、インバウンド回復に向けておこなっておきたい対策方法についても触れていますので、ぜひ成長戦略の一助にお役立てください。

日本におけるインバウンド回復を成功させるためのカギは?

日本におけるインバウンド回復を成功させるカギは、新型コロナウイルスが落ち着いた後にどの程度インバウンド需要が見込まれるかを予測することにあります。

予測をもとに対策を講じながら、外国人旅行者のニーズを満たすことが重要です。

ここからは、日本政府観光局(JNTO)が2020年9月におこなった「訪日旅行市場における新型コロナ感染症の影響と需要回復局面の旅行者ニーズと志向に関する調査」[1]をもとに今後の需要見込みについて解説します。

インバウンドの需要回復を導く市場は?

日本政府観光局の調査[1]では、香港・台湾・イギリス・オーストラリアの4都市で実施した調査結果のデータが収集されました。

過去数年以内に訪日経験があり、今後3年以内に訪日意向がある人に「訪日旅行の頻度は以前と比較して変わるか」という質問をおこなったところ、回答は以下のとおりとなっています。

調査結果では、いずれの地域でも海外旅行の再開にあたり、新型コロナウイルスへの危険性をどの程度認識しているかが高く影響している傾向にあります。

つまり、海外旅行再開の意欲は、感染拡大・収束にはそれほど影響されていないことが読み取れます。

台湾や香港は新型コロナウイルスへの危険性認識が高く、海外旅行に対して特に慎重に検討している傾向でした。

一方、イギリス・オーストラリアは前者の2地域に比べて危険性の認識が低く、海外旅行に対して若干意欲的な姿勢があるようです。

しかし、調査結果から香港や台湾は新型コロナウイルスの危険性を高く認識しているものの、イギリスやオーストラリアよりも早い時期に、訪日旅行を希望していることが読み取れます。

また、訪日未経験者よりも訪日経験者のほうが、訪日旅行再開に積極的であるというデータも出ており、リピーターの訪日需要回復が見込めるのではないでしょうか。

しかし、密になる場所は感染リスクから警戒される傾向にあるため、自然体験など密を回避できる市場での需要増が見込まれています。

海外旅行再開のきっかけとなるものは?

海外旅行再開のきっかけになるのは、新型コロナウイルスの脅威がある程度沈静化できたときだと予測されます。

日本政府観光局の調査では、調査対象4地域において海外旅行再開のきっかけになるものとして、新型コロナウイルス治療薬の発見やワクチン接種が上位に挙がっています。

調査結果から読み解くと海外旅行が再開されるためには、海外旅行へのリスク軽減が見込める状況になる必要があるといえるでしょう。

インバウンド回復のカギは国内旅行の成功

インバウンド需要を回復させるためにカギとなるのは、国内旅行の需要を成功させることです。

国内旅行が活発化すれば、国内旅行者・海外旅行者ともに受け入れられる環境が整うため、インバウンド需要が回復してきた際にも対応することができます。

訪日需要は変わらずあることから、新型コロナウイルスによる渡航制限などが解除され、流行が抑えられればインバウンドの回復も期待できるでしょう。

ただし、新型コロナウイルスがいつ収束するのかは現時点で予測することができません。

タイミングのわからないインバウンド回復を待つ間に、受け入れる企業側が疲弊してしまうのが現状です。

そのため、まずは国内旅行者の需要を高めて受け入れ体制を維持し、インバウンドが回復してきた際にも対応できるように準備しておく必要があります。

新型コロナウイルスの影響で、国内旅行者の需要も密を避けたプランに集まることが見込まれるため、アフターコロナの需要を見込んだ対策が重要になるでしょう。

日本は需要が高くインバウンド回復が見込める

日本は海外旅行者の需要が高く、新型コロナウイルス流行が終息したのちにインバウンド回復の見込みがあります。

では、日本のインバウンド需要回復が見込める背景には、どのような理由があるのでしょうか。

ここからは、海外旅行者の訪日旅行に対する人気や、需要に関するデータについて読み解きます。

中国人の日本に対する人気が高い

中国人の日本に対する人気は高く、日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC) が行った調査[2]によると、中国人の行きたい国1位は日本でした。

また、その中でも北海道に行きたいと回答した人が多く、新型コロナウイルスに対する北海道の早期対応が中国でニュースになっていたことが影響しているとされています。

つまり、依然として訪日旅行に対するニーズは高いと考えられ、特に新型コロナウイルスに対する対応や対策を取っていることが評価につながってくるといえるでしょう。

訪日外国人数が右肩上がり

日本政府観光局による訪日外客数調査[3]では、2019年の年間訪日外客数が過去最高を記録しました。

しかし、2020年4月15日に公表された新たなデータでは、2020年3月の訪日外客数は前年比93%減と過去に類を見ない落ち込みを見せています。

新型コロナウイルスの流行によって海外からの入国が厳しく制限された影響もあり、渡航制限が解消されるまで訪日外客数の落ち込みは続く見込みです。

一方で、2011年度から2019年度にかけて訪日外客数は右肩上がりに増加しており、潜在的な訪日旅行へのニーズの高さが伺えます。

渡航制限が解除され新型コロナウイルスの流行が終息すれば、訪日外国人の日本に対する興味の高さから、インバウンド需要の回復が期待できるでしょう。

インバウンド回復に向けた対策

インバウンド需要の回復に向けて、どのような対策を講じるべきなのでしょうか。

コロナ後の需要に向けた新たな取り組みだけでなく、海外旅行者の受け入れのために必要な準備を行うことが大切です。

ここからは、インバウンド回復に向けた対策方法や対策のポイントについて紹介します。

決済手段の多様化を進める

海外ではキャッシュレス決済が主流となっており、日本国内でもインバウンド向けにキャッシュレス決済を導入する企業や店舗が増加しています。

特に、日本国内でよく利用されているものだけでなく、海外でよく使われているものを導入することがポイントです。

なかでも中国はキャッシュレス決済の利用者が特に多く、インバウンド向けに商品やサービスを提供しているのであれば導入を進めておくべきでしょう。

また、キャッシュレス決済はコロナ禍における「非接触決済」の手段としても注目されており、インバウンドだけでなく国内旅行者向けの需要も見込めます。

キャッシュレス決済にはいくつかの種類があり、クレジットカード決済やアプリを利用したQRコード決済など決済手段を多様化させることが重要です。

インバウンド対策におけるキャッシュレス決済の重要性については、以下の記事でも紹介しています。

関連記事:
・インバウンドにはなぜキャッシュレスなのか?

多言語対応に努める

国内旅行者向けのサービス提供であれば必要ないものの、インバウンド回復によるニーズを満たすには、多言語対応の充実を図ることも欠かせません。

施設やお店の案内、メニューやパンフレットの多言語化を進めるなど、外国人観光客が利用しやすい工夫が必要です。

また、バイリンガル人材の雇用や翻訳アプリを導入すれば、さらに多言語対応のサービス面において差別化を図ることができます。

インバウンドが回復してきた際に、外国人観光客を呼び込むための強みとして活かすこともできるので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

インバウンド需要に向けての対策方法については、以下のページでも紹介しています。

関連記事:
・【業界別】インバウンド施策の基本とは?知りたいコロナ後の需要
・訪日外国人が日本に来訪する理由とは?コロナ禍を見越した対策を

まとめ

インバウンド需要が回復するまでに、まずは国内旅行者向けの需要を成功させて経営を維持・安定化させることが大切です。

アフターコロナの時代になれば、日本における海外旅行者の数は回復してくることが見込まれます。

国内旅行者向けサービスの充実と同時に、インバウンド需要に向けた対策を講じて準備しておくなど、状況に合わせた戦略を打ち出していきましょう。

▼出典
1. 日本政府観光局(JNTO)「訪日旅行市場における新型コロナ感染症の影響と需要回復局面の旅行者ニーズと志向に関する調査」
https://www.jnto.go.jp/jpn/news/topics/20201224.pdf

2. 日本インバウンド・メディア・コンソーシアム(JIMC)が行った訪日旅行に関する緊急意識調査
https://www.jimc.gr.jp/news/covid19_survey_china/

3. 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数調査(2003年~2020年)」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)