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【国・地域別】外国人観光客のリピーターが求めていることとは

新型コロナウイルスの影響で観光地では外国人観光客の客足が途絶えましたが、ワクチン開発が進んでいます。「新しい生活様式」に対応した施策を定着・持続させることによって、観光産業も徐々に回復してくるでしょう。

そして、アフターコロナの時代に観光地を再び活気づけるには、外国人観光客に再訪してもらわなければなりません。ここでは外国人観光客のリピーターを増やす方法について解説していきます。

訪日リピーターの外国人観光客の特徴

観光庁の平成29年訪日外国人消費動向調査によると、外国人観光客の61.4%が訪日2回目以上です。国や地域別に見てみると、韓国がもっとも多い割合を占めており、2番目以下も台湾、中国、香港と近隣の国や地域が占めています。[1]

では、リピーターとなる外国人観光客の特徴について見ていきましょう。

リピートするほど旅行支出が高くなる

リピーターの外国人観光客は、1回目のときと比べて旅行中に消費する金額が高いのが特徴です。しかも、2回目より3回目、3回目より4回目という具合で訪日回数を重ねるごとに高くなる傾向が見られます。

10回以上も訪日しているリピーターだと、1回目のときの旅行支出と比べると2~4割程度も高めです。

地方への訪問が増える

1回目の訪日に関しては都市部が多いですが、2回目以降だと地方への訪問が増えるのもリピーターの大きな特徴です。リピーターの61.0%が地方を訪問しています。

都市部ではショッピングなどモノ消費が中心ですが、地方ではその地方ならではの体験をするコト消費が目的のリピーターが多いです。

有名な観光地でなくても、その地方だからこそできる体験というのは多くあるため、観光資源が少ない地域でも外国人観光客を呼び込めます。

一人旅が増える

1回目の訪日ではグループなどで旅行する人が多いのに対して、リピーターは一人旅が多いのが特徴です。訪れる場所もグループだと有名な観光地が中心ですが、一人旅だと自分の好みに合ったところを訪れる傾向が見られます。

地方の伝統文化などに触れるために、一人で地方を訪れる外国人観光客も多いです。リピーターが増えることで、地方の観光地が授かれる恩恵は大きいでしょう。

【国・地域別】リピーターの外国人観光客が求めていること

外国人観光客の中でも、国や地域によって求めていることがやや異なります。リピーターを増やすためには、国や地域ごとの特徴を押さえておくことが大切です。では、近隣の主な国や地域の外国人観光客がどんなことを求めているのか見ていきましょう。

韓国:買い物

韓国からの観光客は、ほかの国や地域と比べて若年層が多いのが特徴です。20代の人でもリピーターが多い傾向にあります。

温泉や日本酒、テーマパークなど日本の娯楽を全般的に楽しみますが、特に買い物を楽しみたいという人が多いです。日本のお菓子や化粧品、医薬品などの人気が高く、リピーターからはカメラや時計、電気製品、衣料品などが人気を集めています。

ただ、滞在日数が3日程度と短めで、手軽に旅行する人が多いのが特徴です。リピーターの買い物代は約1.9万円と、それほど高くはありません。

台湾:日本文化の体験・買い物

台湾からの観光客はリピーターの割合が高く、家族や夫婦で訪日する人が多いです。日本酒を飲んだり温泉に入ったりするなど、体験を求める傾向が見られます。

滞在日数が4~6日程度と長めなのも台湾からの観光客の特徴のひとつです。ゆっくりと滞在して、買い物を楽しむ人が多いとうかがえるでしょう。また、リピーターほど滞在日数も長くなる傾向にあります。

買い物代は約4.6万円で、医薬品や化粧品、工芸品などを購入する人が多いです。

香港:自然や景勝地の観光・買い物

香港からの観光客は、30代の人や家族連れなどが多いのが特徴です。平均滞在日数は5~6日程度ですが、1回目の人もリピーターもそれほど違いはありません。主に景勝地の観光が目的で訪日する人が多いです。

買い物では電気製品や化粧品、ファッション用品などの購入が目立ちます。どちらかといえば、高額な買い物をする人が多く、買い物代は約4.6万円で、台湾よりやや高めです。

中国:芸術鑑賞・買い物

中国からの観光客は、ほかの国や地域と比べてリピーターはあまり多くありません。ただ、買い物代が約11.7万円とかなり高めなのが特徴です。

主に衣料品の購入率が高く、かばんや靴などもよく購入されています。買い物の購入単価が全体的に高めで、リピーターほどこの傾向が顕著です。

また、美術館や博物館などでの芸術鑑賞目的で訪日する人が多い傾向にあります。ほかに日本酒も人気が高いです。

外国人観光客のリピーターをつくる方法

外国人観光客のリピーターを増やすには、どのようなことを行えばよいのでしょうか。

体験コンテンツの充実

訪日リピーターは1回目の訪日のときと比べて、飲酒や温泉、スキーなどの体験を好む傾向にあります。そのため、体験コンテンツを充実させることで、リピーターの獲得につながるでしょう。

どこででも体験できることだけでなく、その地域だからこそできる体験を提供するのが効果的です。リピーターは一人旅をする人も多いため、よりニッチな体験を提供するのもよいでしょう。

安心・安全の見える化

新型コロナウイルスの影響から、社会全体で安全への意識が高まっています。以前までは感染症のリスクについてほとんど考えたことがなかった人でも、神経質になっていることが多いです。新型コロナウイルスが落ち着いた後も、そのような状況はあまり変わらないでしょう。

そのため、感染症のリスクを抑えるような対策が求められます。どのような感染症対策を実施しているのか、外国人観光客にも分かるように情報発信することで、安心して訪日してもらえるでしょう。

1回目の旅行で安全な施設だということが認識されれば、リピーターになってくれる可能性も高いです。逆にどんな感染症対策を実施しているのか、一見してもよく分からない施設だと、リピーター獲得は厳しいかもしれません。

受け入れ体制の整備

外国人観光客の受け入れ体勢が十分に整っていない場合には、今のうちから整備しておきましょう。特に重要なのは言語への対応と食事制限への対応です。

日本語をひととおり学習している外国人観光客でも、実際に会話をしてみると、言いたいことが思うように伝わらないことも多いです。1回目の旅行で楽しくないと感じてしまえば、リピーターにはなってくれないでしょう。

こうした問題は通訳サービスの導入で解決できます。スムーズに意思疎通が図れて快適に観光を楽しめれば、リピーターになってくれる可能性も高いです。

食事に関しては、宗教に配慮したメニューを用意しておくと親切です。たとえば、イスラム教を信仰する人の場合には食事に関する制約が多いです。そのような点に配慮したメニューを提供できれば、次もまた旅行したいと思ってもらえるでしょう。

SNSやブログの活用

外国人観光客へのアピールとしてSNSやブログを積極的に活用しましょう。SNSやブログで紹介されている施設に行ってみたいと思う人は多いです。商品などもSNSやブログで紹介されることで、売上が大幅に伸びることがあります。

SNSの情報は日本でも参考にする人が多いですが、韓国ではブログに掲載されている情報を参考にする人が多いです。

特に口コミの情報は、観光客に対して高い訴求力があるため、積極的に掲載するようにしましょう。

まとめ

外国人観光客のリピーターを増やすには、2回目以降の訪日で何を求めているのか把握することが大切です。訪日回数が増えるほど、消費額も増える傾向にあります。リピーターを増やせれば、落ち込んだ業績の回復も十分に期待できるでしょう。

「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査」の、アジア人へのアンケートでは、コロナ終息後に観光旅行したい国の1位が日本となっています。[2]また、欧米豪でも上位と注目が集まっているため、このチャンスを活かして訪日回数を増やしましょう。

地方への訪問が増えることや、一人旅をする人が多いことなども織り込んだ上で、アフターコロナに向けて準備をしておきましょう。こちらの記事で、地方インバウンドについて詳しく紹介しています。
「ウィズコロナ時代にやるべき地方のインバウンド対策6選」


また、富裕層インバウンドの取り込みもリピーターを増やすには欠かせません。
富裕層インバウンドについてはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:
・「体験」がポイント!富裕層向けのインバウンド対策4つ


▼出典
1. 観光庁「平成29年訪日外国人消費動向調査【トピックス分析】訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について~韓・台・香・中の訪日回数の多いリピーターは1人当たり旅行支出が高い~」
https://www.mlit.go.jp/common/001230647.pdf
2.日本政策投資銀行「DBJ・JTBF アジア・欧米豪訪日外国人旅行者の意向調査」
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/00aebbaf408e3e27fc3ac58b7e9f992b_1.pdf

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)