中国と日本の文化・習慣はどんな違いがある?

中国企業と取引を行う企業が懸念するのが、国際間のトラブルの発生です。両者の文化や習慣がトラブルに発展する可能性は否定できないため、日本と中国との文化・習慣の違いについて知っておきたいと考える企業は少なくないでしょう。

この記事では、日本と中国との習慣の違いを日常生活とビジネスに分けて解説します。それぞれの違いを知っておけば、トラブルを回避し、中国企業との取引を穏便に行っていく助けが得られるに違いありません。

中国はどんな国?

中国と日本の文化や習慣の違いについて解説する前に、まずは中国とはどんな国なのか、基本的な情報を紹介します。

中国は、人口は約14億人で世界一を誇り、GDPは世界第2位の経済大国です。GDPは2010年に日本を抜いてからも成長を続けていて、現在のGDPは日本の3倍近くになっています。

世界人口の18%を占めており経済成長も著しいため、世界の市場として注目されており、日本の国内企業も1.3万社ほどが中国に進出しています。業種別に見ると、製造業が全体の4割を占め、卸売業が3割を占める結果になっています。

また、日本貿易振興機構が2019年に行ったアンケート[1]では、海外事業の拡大を考えている企業で、中国に対して進出を図っているのが全体の48.1%であることが分かりました。

つまり、全体の約半数が中国での事業拡大を考えているということであり、現在も中国経済の発展が期待されているということにもつながりますね。

これから中国へ進出していくこと、中国企業との取引を成功させることを考えているのであれば、まずは中国と日本の違いを知っておくことが重要です。

日常生活やビジネスの習慣の違いを知っておくことで、世界の市場と注目されている中国でのビジネスを成功させることができるでしょう。

【日常生活編】日本と中国での習慣の違い

日本と中国の日常生活における違いについて紹介します。

年齢は「数え年」で数える

中国では、生まれたときを1歳とする数え年で年齢を数えます。なので、中国で年齢を聞かれたら、基本的に年齢+1歳で答えると良いと覚えておきましょう。

ちなみに、数え年と満年齢では年齢を数える基準となる日も違います。満年齢の場合は誕生日が基準ですが、数え年の場合は元旦が基準です。

そのため、日本でまだ誕生日がきていないけど今年満20歳になるという人は、中国では1月の時点で21歳と数えます。

「お客様は神様」という文化がない

日本には「お客様は神様」という文化が定着しているため、接客を伴うお店ではどこでも丁寧で礼儀正しいサービスを受けることができます。

逆に、中国ではサービスを受けた客の方が感謝をするべきという考えがあるので、「お客様は神様」というスタンスでいると、横柄な客だと思われてしまいます。

ストレートな意思表示を好む

日本では争いを避けるために意思をストレートに伝えないことが美徳とみなされることもありますが、中国では意思をはっきり伝えるほうが好まれます。

そのため、中国企業との取引の際には、日本の企業の取引先とできていた「阿吽の呼吸」のような、意思をぼやかして伝えても通じるということは期待できません。

ただ、はっきりと意思表示をしても無礼な態度と思われることもないので、この習慣に慣れてしまえば、取引はスムーズに進みやすくなる場合が多いともいえます。

割り勘はしない

日本では友達同士、同僚同士などフラットな関係の場合は、食事をしたときに割り勘の支払いになることも多いですが、中国では割り勘をするという習慣がありません。

友達や同僚といった関係性であっても、基本的には食事に誘った人が支払うことが一般的です。ただし、割り勘はしないかわりに、奢られた側は次に食事に行くときにごちそうするという文化が中国では根付いています。

【ビジネス編】日本と中国での習慣の違い

日本と中国のビジネスにおける習慣の違いについても知っておきましょう。

時間や納期にはあまりこだわらない

中国企業と取引する際に覚えておかないといけないのが、時間や納期に対する考え方の違いです。

日本では納期は絶対に守るものという考えがあり、納期が守れないとクライアントからクレームがきますし、最悪の場合は取引を打ち切られることもあります。

しかし、中国では納期はあくまで目標という考えで、納期が遅れるということはよく起こる事案です。

そのため、中国企業と取引をする際には、納期が遅れることを見越して、早めに納期を設定しておくということが必要になります。

謝罪をすることの意味が大きい

「負けるが勝ち」ということわざがあるように、日本では相手に勝ちを譲ることで最終的に自分にとって良い結果になり、自分の勝ちにつながるという考え方があります。

そのため、自分たちに非がない場面でも物事をうまく収めるために「申し訳ありませんでした」という謝罪をすることがあります。

しかし中国では、謝罪をするとすべての責任をとらなければいけないという文化があるので、謝罪することはめったにありません。

日本と違い謝罪することにリスクがともなうので、中国では「負けるが勝ち」という考えはしないようにしましょう。

明らかに非があるのに謝罪をしてこない取引先への対応としては、まずは中国には謝罪しない文化があるということを理解し、相手の言い分に耳を傾けるようにします。

相手の言い分を先に聞くことで、自分たちの意思を受け入れてもらいやすくなり、同じようなトラブルの発生を回避することができるでしょう。

転職に対して積極的

日本でも転職は一般的になってきてはいますが、やはり転職回数が多いと人事担当者から「すぐにやめてしまう人材」だとマイナスに捉えられることも少なくありません。

しかし中国では転職は良い条件の仕事に就くためのチャンスという考えのため、転職に対して積極的で、人事担当者も転職回数が多いことを気にしない傾向にあります。

また、日本では退職するときは1ヶ月前に上司に伝えておくのが一般的ですが、中国人は待遇に不満があると当日に退職届をもって辞めるというのもよくあることです。

中国進出に合わせて中国人を採用した場合、その中国人が急に辞めるということも起こりうるので、急な退職があっても対応できる仕組みを作っておくようにしましょう。

給料の話をオープンにする

日本では自分の給料について同僚や友人と話すことはほぼありません。日本人にとって給料は、かなりの個人情報というような扱いになっています。

ところが、中国人は給料の話をすることに対して積極的で、給与明細を見せ合ったり、知り合ったばかりの人に対して年収について質問したりすることも珍しくありません。

中国人がオープンに給料の話をするのは、自分の評価と給与額が適切かを判断するためです。同僚と比べて給料が多ければ、会社から評価されていると確認でき、かつ他の人に自慢できます。

会社から評価されていること、そしてそのことを他の人に自慢したいという気持ちが強いので、中国人はみな給料の話をオープンにする傾向があるのです。

中国の企業と商談を成功させるポイント

中国企業と商談を成功させるために覚えておきたいポイント・コツについて解説します。

結論から述べる

「どうしたいのか」「どうなったら良いと考えているのか」といった結論から切り出すことで、中国の企業との商談がスムーズに進みやすくなります。

また、伝えたいことが〇つありますと数字を挙げて提示すると、相手は聞く体制になるので、要点を具体的に伝えることが可能です。

結論から述べる、ポイントを絞って伝える、このふたつのことを普段の会話から習慣にしておくと、商談の際にも理解してもらいやすいでしょう。

意思をはっきりと伝える

中国人は主張することが評価される文化なので、遠慮する、曖昧な表現をするということはビジネスの世界ではまずありません。

とはいえ、確かに中国人の主張は強いですが、相手の主張に耳を傾けないというわけではありません。お互いの主張をぶつけあって、折り合えるところを探していくのが中国のビジネスの進め方、商習慣です。

中国企業と取引する際には、意思をストレートに伝えないと落としどころを見つけることができなくなってしまうので、譲れないところははっきりと主張していきましょう。

アポは直前に取る

日本では1~2週間後のアポを取ることはよくあることですが、中国企業とのやりとりでは、何日も先のアポを前もって取るのは忘れられてしまう可能性が高いのでNGです。

また、日本は順番を重視するのに対し、中国ではその場その場の最重要度で判断する傾向があります。

相手から優先度が低いと判断されるとドタキャンされることもあるので、その場合は別の日を提案するなどして柔軟に対応していくことが求められていきます。

まとめ

中国企業との取引をスムーズに進めるために知っておくと良い中国と日本の文化や習慣の違いについて紹介しました。

日常生活、ビジネスの面で日本と中国とではいくつもの違いがあります。このことについてあらかじめ知った上で取引を行うと、予期しないことが起こっても慌てずに対応することができるでしょう。

▼出典
1.2019 年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査
~JETRO 海外ビジネス調査~
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/1057c5cfeec3a1ee/20190037.pdf

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)