外国人への社員研修はなにをすべき?育成に欠かせない3つのポイント

日本国内でもあらゆる業界でグローバル化が進むにつれ、企業規模の大小問わず、外国人労働者と会社のすれ違いやトラブルに悩む方は多いのではないでしょうか。

外国人の従業員と会社の間に摩擦が生じる原因は、文化や考え方の違いなどさまざまな事情が絡むため、一見すると複雑な問題のように思えます。しかし、企業で起こりうる一般的なトラブルは、適切な社員研修によって対策することが可能です。

ここでは外国人労働者に対する社員研修のメリットや、実施するときのポイントについて紹介します。

過去最多!日本でますます増えている外国人労働者

飲食店や農地などさまざまな場所で外国人労働者の姿を見かけるほど、日本で活躍する外国人は当たり前の存在となっています。

まずは、外国人労働者の実態について紹介します。

外国人労働者の実態

政府が発表した資料によると、2019年10月時点で外国人労働者の数は約166万人です。人数および雇用する事業所の数も前年比12%超えとなっており、今後も増加の可能性は十分考えられます。

外国人労働者の数はここ数年増加の一途を辿っています。2007年には外国人労働者を雇用する事業者に対して雇用の実態を届け出ることが義務化され、以降の数字としては過去最高を記録しました。[1]

多くがベトナム人や中国人、フィリピン人など東南アジア諸国出身者です。在日外国人数について国別で詳しく知りたい方は、下記の記事もご覧ください。

「在日外国人の国別の数とその中で多い在留資格について」

外国人労働者が増えている理由

外国人労働者が増加し続けている理由は、働き手だけの希望によるものではありません。雇用側の需要も高まっていることがあげられます。

日本は少子高齢化という問題を長年抱えており、あらゆる業種で人手不足におちいっている状態です。外国人労働者を雇用することで、若者を中心に労働力の確保ができます。

また、深刻な人手不足におちいっていない業界や企業でも、外国人労働者の雇用が見直されています。日本人の視点だけでは生まれないような新しいアイデアの創出など、多様な視点でビジネス展開ができることや、海外進出を見越した雇用が一定数存在するためです。

外国人労働者への社員研修の必要性

単純な手順を覚えてもらえば最低限の仕事はできる、と外国人労働者の社員研修をおろそかにしていないでしょうか。たとえ任せる業務が単純作業であっても、トラブルが生じたときの報連相について教育していなければ、いずれ何らかの事故が生じるおそれがあります。

また、長く働いてもらうためには会社に馴染んでもらうことも重要です。外国人労働者の雇用時に適切な社員研修を実施することは、企業側にとっても以下のメリットにつながります。

日本の慣習やマナーを理解してもらえる

日本と外国では、文化が異なります。同じアジアといっても中国と日本では食事のマナーひとつ異なるように、外国で当たり前の習慣が日本ではトラブルとなることも少なくありません。

社員研修で外国と日本の違いを理解してもらうことで、文化の違いによるトラブルを避け、日本の慣習やマナーに通じた従業員が育成できます。

外国人労働者も本来の実力を発揮してのびのびと業務に励めるでしょう。

コミュニケーションが円滑になる

日本のマナーを理解してもらえれば、社員同士のコミュニケーションも円滑になるでしょう。異文化を原因とするすれ違いが起こりにくく、日本人社員とコミュニケーションを取りやすくなることで、より良いアイデアの創出やディスカッションにつながります。

そのためには、実施する社員研修をさまざまな視点で選ぶ必要があります。技術研修やビジネスマナー、日本の慣習に加え、希望者には語学力アップのための研修やサポートも提供しましょう。

外国人労働者の中には、日本語能力に自信がない方も多くいます。語学力不足や不安の大きさから限られた仕事にしか就けない外国人もいるため、企業によっては有能な人材を取りこぼす原因にもなっています。

企業側が日本語を学ぶ場を設けたり、言語面で業務のサポートを行ったりできる環境が必要です。サポートによって語学力や自信がつけば、社員同士の幅広い交流や誤解のない伝達が実現できます。

仕事のモチベーションが向上する

日本人が転職する理由で上位にあげられることのひとつが、人間関係です。外国人労働者も同様に職場で十分なコミュニケーションを取れないとストレスを抱えることになり、深刻な場合は早期離職にもつながってしまいます。

スムーズなコミュニケーションを実現する言語的な研修に加え、必要に応じて外国人労働者が環境に慣れることができるように工夫を行いましょう。職場に対するストレスのリスクを減らすことができれば、仕事のモチベーションの向上も期待できます。

業務に対し積極的な態度を見せたり、離職率の低下が期待できたりと、モチベーションアップによる更なる効果もあります。

外国人労働者に必要な3つの社員研修

では具体的にどのような研修を実施すれば良いのか、外国人労働者向けの基本的な社員研修を3つ紹介します。

以下の社員研修を軸に、個人の状況に合わせたサポートも行いましょう。

1.ビジネスマナー研修

同僚や取引先と関わる機会がある以上、日本のマナーを知っておくことは重要です。基本的な挨拶や名刺交換の手順、電話応対や敬語など、ビジネスマナーの講義は職種問わず行うべき社員研修でしょう。

自国以外で働くことに対する不安は、大半が文化やコミュニケーション方法を知らないために生じていますが、日本の文化について知ってもらい、互いを理解することで不安は解消されやすくなります。

2.日本語研修

聞き手からすると十分話すことができている、と感じても、本人にとっては伝えたいことが伝えられているか不安に思うものです。日本語の習得状況に関係なく、希望者には継続的な日本語研修を実施すると良いでしょう。

社員同士の言語による壁を解消できれば、日本人視点では気付かなかった自社の商品やサービスへの意見なども発言しやすくなり、より多様なビジネス展開も可能になるでしょう。

3.企業理解研修

日本人の社員であっても、企業理念を理解しないまま働けば不適切な行動をとってしまうおそれがあります。場合によっては企業イメージを損なうリスクもあるため、日本人・外国人のどちらに対しても企業理解研修が必要です。

外国人労働者の場合、日本人とは異なる価値観を持っていることもあるため、企業理念自体に馴染みが少ない方も多いでしょう。より丁寧な社員研修で企業理念の大切さや将来のビジョンを共有することで、共感を得られればモチベーション向上も期待できます。

外国人労働者とのコミュニケーションをより円滑にするには

外国人労働者を雇用するうえで、コミュニケーションの問題は避けられません。しかし、十分な対策を行えば多くのトラブルは避けることが可能です。

社員研修や日常の業務で、円滑なコミュニケーションをとるためのポイントを3つ紹介します。

日本の価値観を押し付けない

ビジネスマナーや会社のルールを伝えるときに、日本の価値観を押し付けないよう配慮しましょう。この国ではこうだから、と頭ごなしに言われては、外国人労働者にとって自国を否定されたように感じるものです。

あくまで「我が社ではこのような理念のもと、このようなやり方をしている」ことに重きを置いて伝えます。

わかりやすく伝える

日本語は外国語に比べると、曖昧な表現や暗黙の了解が多いという特徴を持っています。日本人同士であればニュアンスで伝わるような内容も、外国人労働者に対しては具体的に表現することを意識しなければなりません。

たとえばすぐに対応してもらいたい仕事を、「早急に」「いつでも良いから」と指示していないでしょうか。具体的に「今日の就業時間までに」「月曜日の朝8時までに」など、すれ違いが起こらないよう伝えることでトラブルを回避できます。

コミュニケーションツールの活用

日本語の複雑な言い回しや単語は、日本に住んでまもない外国人労働者には理解が難しいこともあります。コミュニケーションをとるときはできる限り簡潔に伝え、口頭で難しいときは筆談や翻訳ツールも活用しましょう。

翻訳ツールなら、クラウド通訳がおすすめです。スマートフォンやタブレットがあれば通訳スタッフと即座につながることができ、顔を見ながら会話できます。

カメラ越しに状況を把握してその場のニュアンスも汲んだ言葉に訳してくれるため、誤訳のリスクやストレスを感じることなく意思疎通が可能です。

クラウド通訳は専用のコールセンターをあえて持たず、インターネット上でサービスを提供することで低価格を実現しています。価格以上の高品質な通訳サービスを、簡単な手続きで気軽に利用できる点も大きなメリットです。

まとめ

外国人労働者の増加にともない、さまざまな業種で雇用されています。労働力の確保としてはもちろん、新しい視点による商品やサービスの評価は、企業により一層の発展をもたらしてくれるでしょう。

ただし、外国人労働者にとって居心地が良く、働きやすい環境がなければ、即座に離職されてしまいかねません。ストレスやトラブルなく活躍してもらうために、企業側は丁寧な社員研修を実施することが求められます。

社員研修やコミュニケーションで言語によるすれ違いが生じる前に、リアルタイムでサポート可能なクラウド通訳をぜひご活用ください。

▼出典

1.「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和元年10月末現在)

 

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)