【外国人も町の病院も困っている】外国人医療の現状と対策

在日外国人の増加にともない、外国人が病院に来院するケースも増えてきています。とはいえ、言葉の壁や文化の違いなどゆえに、病院側としても対応に困ることもあるでしょう。

また、来院する外国人にとっても海外での通院は戸惑うことが多いのも実情です。ここでは、外国人が病院で困っていることについて紹介するとともに、病院側でできる対策方法について解説します。

 

外国人診療の現状はどうなっているの?

まず、外国人が増えている理由と医療現場の状況について解説していきます。

外国人が増えている理由

外国人が増えている理由のひとつとして挙げられるのは、日本の不景気です。以前は「物価が高い」というイメージが強い日本でしたが、景気が低迷している昨今においては物価が安いというイメージが定着し、そのために来日する外国人が増えました。

また、不景気というだけではないですが、政府としてもインバウンドに力を入れている状況でもあるため、外国人観光客を誘致するための取り組みを行ったのも外国人の増加につながっています。

しかし、コロナ禍の影響によって2020年に旅行で来日する外国人は大幅に減少しました。
では、どうして病院を訪れる外国人は多いのでしょうか?

それは日本に住む外国人が増えているからです。1990年代においては日本に住む外国人は120万人ほどでしたが、2019年においては290万人を超えました。[1]

▼出典
1.政府統計の総合窓口「在留外国人統計」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250012&tstat=000001018034&cycle=1&year=20190&month=24101212&tclass1=000001060399

日本で生活する外国人が増加している背景には、少子化の影響があります。日本では少子化が進み、働く世代の人口が減少してきているため、外国人労働者の雇用にも積極的になっているという現状があるのです。

外国人医療現場の状況

外国人患者への対応は多くの場合、個々の医療機関に任されていて、それぞれの医療現場で外国人患者に対応して治療にあたっているのが現状です。しかし、ここ最近で外国人患者が急激に増えてきたため、このままの体制では対応できなくなるという危機感を感じている医療現場もなかにはあります。

医療現場では訪日外国人の対応ができる体制整備が求められていますが、そこで課題となってくるのが言語と医療費の支払いというふたつの問題です。

■言語の問題

日本の医療現場では、外国人患者に対応するために通訳を雇うという体制が整っていません。そのため、外国人と身振り手振りで意思疎通を図ったり、日本語が分かる患者の友人などを通して対応したりしてきました。

外国人の患者がよりいっそう増えると、そうした方法では対応しきれなくなる可能性が高くなります。そのため、通訳サービスを導入したり、外国人対応マニュアルを作成したりするなどの言語面での対応が求められている状況です。

■医療費の支払い

日本の保険に加入していない外国人患者が医療費を支払うときに、十分な日本円の現金を持ち合わせていないという問題もあります。

これは、医療費を支払う経済的余裕がないということではなく、本人の準備不足、日本の医療機関の会計体制の周知不足が原因で起こることが多いようです。

払えていないまま帰国して未収金になってしまうケースもあり、外国人患者を受け入れる病院の、頭を悩ませる問題のひとつになっています。

医療費の支払いに関わる問題も、言葉の問題を解決することで防げる可能性があります。多くの外国人は、医療費を払えないというよりも、支払う方法がよく理解できていないということがあるからです。

まず言葉の問題を解決することにより、医療費の未払いという問題が減り、医療現場としてもメリットとなる可能性は高くなるでしょう。

外国人が病院で困っていること・注意点

通常のコミュニケーションと同じように、病院でも外国人は文化と言語の違いに困惑しています。外国人が病院で困ることにはどんなものがあるのか、対応の際にどんな点を注意したら良いのかを紹介するので参考にしてみてください。

文化の違いによる医療事情の相違

医療事情は、それぞれの国の文化によって違いがあります。日本で一般的に行われている医療が、外国人から見ると普通ではないということも多々あります。

ここでは、在日外国人が多い国を事例に医療事情の相違を紹介していきます。

<中国>
中国人は医療に即効性を求めている人も多く、注射を打って症状を回復させようという意識が高いといわれています。また、服薬についても、効果がすぐに出ないと自分の判断で服用量を増やしてしまったりすることがあるようです。

人によっては、「この注射を打ってほしい」、「この薬を欲しい」という希望をはっきり伝えられることがあります。診断して希望する薬が適切であれば、それを処方することもできますが、そうでない場合は適切な薬の説明をはっきりと行うようにしましょう。

<フィリピン>
フィリピンでは医療費が高額なこともあって、治療を受けるために病院に行くということが一般的ではありません。市販薬も医療費と同様に高額なため、民間療法や祈祷師を頼りにするということもまだまだ多いようです。

そんなフィリピン人が病院の診察を予約したときに覚えておきたいのが、フィリピン人は時間に対して、それほど意識をしない傾向があるということです。

なので、フィリピン人が診察の予約をしたら、「予定どおりに来てもらわないと診察はできない」「後に予約していた患者を優先することがある」ということをはっきり伝えましょう。

<アメリカ>
アメリカでは、医療従事者・患者双方で、医療はサービス業という意識が浸透しています。診察を受ける際にも、医師と患者が対等な立場でコミュニケーションを重ねて、納得のいく治療を患者が選ぶというのが一般的です。

コミュニケーション重視の医療なので、アメリカ人が日本の病院で診察を受けると、医師に対して「偉そうにしている」「十分な説明がなかった」と感じることも多いようです。

外国語通訳対応がない

専属の通訳者がいる病院は日本ではほとんどありません。そのため、外国人が病院に来るときに、本人か同伴している家族・友人が日本語を喋れないと、医師とコミュニケーションを取ることが難しい場合があります。

ただ、日本に住んでいる外国人で、日本語がまったく喋れないという人はまれです。とはいえ、カタコトの日本語を話せる外国人の対応にも注意する必要があります。

カタコトの日本語が喋れる外国人は、実際には分かっていないのに「分かりました」ということがあるからです。

そのような外国人には、日本語が理解できているだろうと考えるのではなく多言語の問診票や診療マニュアルを活用して、しっかりと説明するようにしましょう。

また、外国語対応=英語対応という考えでは、病院に来る外国人にとって十分な助けになるとはいえません。

日本に住んでいる外国人の出身国の上位は、中国・韓国・ベトナム・フィリピン・ブラジル・インドネシアとなっており、公用語が英語という国はフィリピンぐらいです。英語で対応されても理解できないという外国人もなかにはいます。

そのため、どの国の外国人がよく病院に訪れるのかなどを把握して、外国語対応を考えていくことが必要となります。

外国人の来院のために準備すること

外国人が病院に来て困ることについて紹介していきました。これらの点を踏まえて、外国人の来院に備えましょう。実際にできることを以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

外国人対応マニュアルを作成しておく

厚生労働省や経済産業省から医療関係者向けのマニュアルが提供されています。そうしたマニュアルを参考にすると、検診や治療目的で病院を訪れる外国人に対応することもできるでしょう。

マニュアルは、病院の受付・問診票・治療や手術などのシーンで使える資料となっています。英語だけでなく、中国語や韓国語、ポルトガル語などの言語にも対応しているので、活用してはいかがでしょうか。

▼参考
観光庁「医療関係者向けサポートページ」https://www.jnto.go.jp/emergency/jpn/medical_support.html

通訳サービスを利用する

とはいえ、複数の外国人対応マニュアルを作成しておくのは、時間と労力がかかります。そして、マニュアルを作っても、完璧には外国人に対応することは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、「クラウド通訳」などの通訳サービスを利用することです。クラウド通訳(https://optage.co.jp/co-creation/crowdtsuyaku/lp/resident/)では、英語だけでなく中国語・韓国語・タイ語・ポルトガル語と複数言語に対応していますので、日本を訪れるほとんどの外国人に対応することができます。

専属の通訳者を雇うよりも、クラウドを介しての通訳サービスなので、料金もリーズナブルです。外国人の来院に対して複数言語のマニュアルを準備するのは大変なので、クラウド通訳の使用を検討してみてください。

まとめ

日本で生活する外国人は、病院での言葉の壁、自国との医療事情の相違など困っていることが多くあります。

在日外国人への対応はこれからも増えると考えられるので、今のうちに対策に取り組むようにしましょう。相互の「困った」を解消することにもつながります。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)

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