通訳には種類がある?導入する際の選び方のポイントもご紹介

通訳は外国語対応や海外のビジネス展開を円滑に進めるために役立ちます。しかし、通訳には手法や種類がいくつかあり、適しているシーンはそれぞれ異なります。

そこで、通訳の主な種類やそれぞれの特徴と、通訳サービスを導入する際に、どのようなポイントからサービスを選ぶと良いかをご紹介します。

通訳の種類

通訳の方法には、大きく分類して、リアルタイムで通訳を行う「同時通訳」、ある程度の文をまとめて通訳を行う「逐次通訳」、通訳を受けたい人の耳元で通訳を行う「ウィスパリング」の3つの手法があります。それぞれどのような通訳手法であるか、詳しく見ていきましょう。

同時通訳

同時通訳は、話者の発言内容をほぼ同時に通訳する方法です。タイムラグがほとんどなく、母国語と同じような感覚でのやりとりを実現します。

通訳者は専用のブース内で、ヘッドフォンで話者の声を聞きながら、即座に翻訳してマイクなどの機材を通して通訳内容を話します。聞き手は、レシーバーなどを通じて通訳者の声を聞くという形になっており、通訳が必要でない人は聞く必要はありません。

逐次通訳

逐次通訳は、話者の発言内容を数十秒から数分のある程度まとまった形で通訳し、聞き手に伝える通訳方法です。話者が数文を話したあとに通訳のための間をおき、その間に通訳者が翻訳を行います。

逐次通訳は通訳のための間をおき、さらに話者も通訳者を意識して細かく文を区切って話すことになります。さらに、通訳者はノートテイキングといって、メモを取ったあと通訳に入るのが一般的ですので、同時通訳と比較するとより正確な通訳結果が得られます。ノートテイキングはプロの通訳士において重要なスキルです。一言一句全てをメモするわけではなく、理解し、分析したことを簡潔にメモしてそれを表現するという難しい技術が必要なのです。

ウィスパリング

ウィスパリングは、通訳者が聞き手の耳元で通訳を行う方法で、同時通訳の一種となります。耳元でささやくように小声で通訳を行うことから、同時通訳と区別してウィスパリングと呼ばれています。

通常、少人数を対象として機材を使わずに行われる通訳ですが、3名以上通訳が必要な人がいる場合、簡単なスピーカーなどの装置を使用することもあります。通訳は同時通訳と同様にリアルタイムですので、言語の壁を感じず、自然な感覚でコミュニケーションを行うことができます。

それぞれの通訳の利用シーン

では、3種類の通訳方法が、それぞれどのようなシーンに向いているのでしょうか。具体的な利用シーンやメリット・デメリットについて解説します。最適な通訳サービスを選択する際に重要なポイントになりますので、確認しておきましょう。

同時通訳

同時通訳は、大規模な会場での通訳に適しています。大人数での会議やシンポジウム、学会などで利用されている通訳です。テレビ番組のニュースでも目にする機会があるのではないでしょうか。例えば、海外からの記者会見の中継などで、英語と日本語が同時に流れているものはリアルタイムに通訳されている同時通訳です。

同時通訳では、ほぼ発話と同時に通訳が行われるので、通訳が終わるのを待つ必要がありません。大人数が参加する会議などであっても、スムーズに進行させることができます。

一方、通訳者にとっては、同時通訳は翻訳を行いながら次の話者の発言を聞かなければならないため、高い集中力が必要とされます。そのため、通訳は15〜20分程度の交代で行うのが一般的で、通訳には最低2名、通訳時間が長くなる場合には4名以上の通訳者が必要です。

逐次通訳

逐次通訳は、発話が終わったあとに通訳すれば良く、同時通訳と異なり発話を聞きながら翻訳していく必要がありません。そのため、商談や講演会、セミナー、対談など、速さよりも正確さが求められるシーンに向いています。

また、通訳者が情報を整理したり、言い回しを工夫する時間がありますので、通訳結果がわかりやすく、聞き手が理解しやすくなるというメリットもあります。

逐次通訳は一対一での通訳も可能です。また、同時通訳よりもじっくりと時間をかけて通訳することが可能なため、通訳者に余裕があり、通訳中に交代が必要になることもありません。目安としては、3時間未満であれば1名で、それより長くなる場合には2〜3名の通訳者で対応が可能です。できるだけコストをかけずに通訳を手配したい場合にも良いでしょう。

ただし、発言者、通訳者それぞれの発話の時間がかかるため、必要になる時間は同時通訳のおよそ2倍を見ておかなければなりません。そのため、終日かかるような長時間の会議などの通訳には適していません。

ウィスパリング

ウィスパリングは、機材がなくても行えることから、同時通訳が必要な少人数のシーンに向いています。その場にいる全員に通訳が必要でない場合には、必要な人の側にのみ通訳をつけるといった運用が可能で、社内会議などで利用されることが多いです。特に何人かいるうちの1〜2名にだけ通訳が必要といった場合に適しており、発話と同時に通訳が行われますので、通訳が必要な人にも言語の壁を感じさせません。

ウィスパリングによる通訳は、同時通訳のような機材の準備に必要なコストや手間がかからない点がメリットですが、同時通訳と同様に数名の通訳者が必要です。

ウィスパリングでは、ヘッドフォンで話者に集中できる同時通訳と異なり余計な周囲の音や通訳者自身の声などが耳に入ってしまいます。そのため、より高い集中力が求められる難易度の高い作業となりますので、途中で交代が必要になるのです。また、機械を使わず生音を聞き取ることとなるため、通訳の精度は同時通訳よりも落ちてしまうことがある点には注意しておきましょう。

クラウド通訳ならビデオ通話で顔を見ながら話せる

通訳者は通常、現場に同席する形で通訳を行いますが、現在ではインターネットを活用したクラウド上での通訳サービスも登場しています。

クラウド通訳とは、スマホやタブレットで、在籍している通訳者を呼び出し、ビデオチャットを通じて通訳が受けられるサービスです。専用のアプリをインストールするだけで利用でき、機材の用意や都度通訳者の手配をする必要がありません。使い慣れた端末で気軽に始められます。

サービスの対応時間内であれば、いつでも通訳を呼び出して利用できますので、必要な際にすぐに通訳を受けることができます。短時間の利用も可能で、通訳者を現場に確保しておく必要がないため、手間もかからずコスト的にも有利です。

また、クラウド通訳はインターネットを介した人による通訳です。自動翻訳機では対応できなかったことが通訳できることはもちろんですが、それ以上のメリットが、通訳者の顔を見ながら話せることです。機械では伝えにくい細かなニュアンスを汲んだ上での通訳ができ、その場に応じたやりとりが柔軟にできます。文化の違いによる言い回しやニュアンスの違いも把握した上で適切にコミュニケーションを仲介してくれるでしょう。

そのため、通訳が必要になるシーンの中でも、特にコミュニケーションが必要なシーンに向いており、通訳者がそばにいるイメージで利用可能です。通訳を受ける側の人にとっても、機械相手に話すような心理的なハードルがなく自然に話すことができます。

外国語での対応が必要な企業なら、クラウド通訳も選択肢のひとつとなるでしょう。特に、きめ細やかな対応が必要になる、接客や顧客サービス、トラブル対応などのシーンに適しています。

さらに、対応言語もアプリ上から選んで通訳者に繋ぐことができますので、多言語対応が必要になる場合にも便利です。現在、クラウド通訳は5ヵ国語に対応しています。

まとめ

通訳にはさまざまな方法がありそれぞれ特徴がありますので、目的に応じた通訳サービスを選ぶことが重要です。導入の際には、必要シーンや頻度、対応言語、コストなどの面から、どの通訳サービスが自社に適しているかをよく把握した上で選択しましょう。

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(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)