自粛を迫られる飲食店のいまを解説

新型コロナウイルス拡大の影響は飲食店にも及び、営業時間を短縮したり、休業したりしているお店も多くあります。

いつまで自粛をすべきか分からない状況で、不安を抱えて日々を送る飲食店オーナーも少なくないのではないでしょうか。また、ほかの飲食店の自粛状況について気になっている方もいらっしゃることでしょう。

そこで今回は、飲食店全体の自粛状況について解説するとともに、自粛までにできる対策を紹介します。

飲食店の自粛状況

海外では、飲食店は全面禁止にしている国がありますが、日本では飲食店については休業要請の対象には入っておらず、各オーナーの判断に委ねられています。

こうした中で、各飲食店のオーナーはどのような判断を下しているのか自粛状況をみていきましょう。

飲食店の自粛状況はどうなっているのか

政府による緊急事態宣言を受けて、無期限休業を決めた飲食店もあります。そのような飲食店の中には、休業期間中を営業再開までの準備期間に充てているところも少なくありません。

営業中ならじっくりと取り組むことが難しい店舗のHPのリニューアル、メニュー開発、店舗内の工事などに取り組むことで、自粛期間が終わった後の集客準備をしているのです。

とはいえ、自発的に休業を決めた飲食店のすべてが、ポジティブな思いで自粛に踏み切ったわけではありません。

クラスター発生の恐れから、大勢での飲食は自粛が求められていますし、Stay Homeの呼びかけの影響で、お店を開けていても普段のようには来店者がいないという状況があります。来店を促すための積極的な呼びかけも難しいため、休業せざるを得ないと判断したオーナーも少なくありません。

しかし、この状況がいつまで続くか分からないことから、休業し続けることへの不安も大きく、どの飲食店もなんとか営業できる形を模索しているのが実情です。

感染拡大の防止に応じた衛生対策の強化が急務

飲食店がやるべきこととして、新型コロナウイルス感染拡大防止のための衛生対策の強化があります。

食中毒の予防目的として、これまでやってきた消毒液での手洗いや、調理器具の除菌などの衛生対策に加え、新型コロナウイルス対策の衛生管理を行うようにしましょう。具体的には、従業員の出勤前の検温や勤務中のマスクの着用を義務付け、店内の清掃・消毒の徹底を実施することができます。

飲食店を利用したいものの、新型コロナウイルス感染が怖いという顧客の声は多くあります。そのため、普段行っている衛生対策に加えて、新型コロナウイルス対策のために具体的にどのような取り組みを行っているかを飲食店側が示すことは大切です。

新型コロナウイルス対策として、どのような取り組みを行っているのか、店前や店内に掲示しておくなら、入店するかしないかをユーザーが判断できるでしょう。

さらに、密閉・密集・密接の3つの密を回避するために、事前予約での来店を呼びかけたり、席数を減らしたり、換気を徹底したり、といった対策を講じることができます。接触感染を防ぐために、食器や調理器具の消毒の強化も行うことができるでしょう。

飲食店の自粛までにできる対策1:テイクアウト

飲食店として現状できる対策のひとつに、テイクアウトがあります。今まで店内提供のみだった飲食店でもテイクアウトサービスを始めているお店は少なくありません。

テイクアウトに乗り出した飲食店

緊急事態宣言を受けて、多くの人が外食を自粛するようになりました。その結果、飲食店の8割で、前年同月に比べて売上の減少がみられます。

そのため、今までは店内提供のみだった飲食店でも、少しでも売上を確保しようとテイクアウトサービスを始めています。

テイクアウトを導入することにはメリットもありますが、デメリットもないわけではありません。これから、テイクアウトの導入を考えている経営者の方は、メリットとデメリットを理解した上で、決断するようにおすすめします。

■テイクアウトを導入するメリット

・メリット1:店舗スタッフと顧客、顧客どうしの接触を最小限に留められる

テイクアウトであれば、店舗スタッフと顧客が同じ空間にいる時間が短くなりますし、接触することもほとんどなくなります。

店内での飲食がなくなりテイクアウトだけになれば、顧客同士の接触はほぼなくなるでしょう。接触が最小限に留められれば、新型コロナウイルスに感染するというリスクも抑えることが可能になります。

・メリット2:接客していた時間を仕込みや休息の時間に置き換えられる

テイクアウトを導入する別のメリットとしては、今まで接客に割いていた時間を、仕込みや休息の時間に回せるようになるという点です。そのため、お店に居る時間を減らすことができますし、少ない人員でも対応することができます。

■テイクアウトを導入するデメリット

・デメリット1:テイクアウト資材の準備時間、コストが発生

テイクアウト用の料理を入れる容器、割り箸や紙ナプキン、ポリ袋などを用意する必要があるため、そのための時間やコストが発生します。

・デメリット2:ユーザー認知、浸透するまでに時間がかかる

テイクアウトを始めたことをユーザーに認知してもらい、浸透するまでは時間がかかります。そのため、テイクアウトを始めたばかりだと、思うように売上げが伸びないということも考えられます。

ユーザー目線での対策

テイクアウトサービスの導入を成功させるためには、ユーザーが何を求めているのかを察知し、それに沿った対策を講じていかなければなりません。

そのために行うべきことのひとつが、テイクアウトメニューの情報を充実させるということです。自社HPはもちろんのこと、SNSやデリバリーサービスなどを使ってネット上で公開しましょう。

テイクアウト可能な飲食店のエリアマップを作成するのもおすすめの方法です。エリアマップを作成することで、テイクアウトを求めるユーザーが店舗を知るまでの新たなきっかけをつくることができるでしょう。

飲食店の自粛までにできる対策2:デリバリー

飲食店経営者・運営者への調査では、デリバリーをすでに実施している飲食店は19%、準備・検討しているという飲食店が37%というデータがあります。

デリバリー業界の新しい動向

今までは対応していなかった飲食店もお弁当や加工食品を中心にデリバリー発送をスタートさせています。

特に今注目されているデリバリー業界の新たなサービスが「置き配」というものです。置き配とは、非対面での荷物の受け渡し方法で、現在新型コロナウイルスの有効な対策として大手宅配業者も一時的な対応として実施しています。

宅配業者によって異なりますが、一般的な置き配による非対面での受け取りは、配達員が荷物を届けに来たときに、インターホンや電話で置き場所の指定をするというものです。

飲食デリバリー業者の中には、注文ユーザーと対面しない「置き配」に対応しているところもあります。置き配してもらうときにも、注文ユーザーが「玄関に置いておいてください」と一言かけると、お互いに気分が楽な受け渡しになるでしょう。

また、大手飲食デリバリーサービスでは、注文アプリに配達メモ欄があり「玄関先に置く」や「ロビーに置く」など指定をすることによって対面して受け取らなくて済むようになっています。

「置き配」のメリットデメリット

デリバリー業界で増加している「置き配」は、メリットもあればデメリットもあります。

■「置き配」のメリット

・メリット1:対面対応が不要
玄関前や宅配ボックスなど、あらかじめ指定された場所に置き配をすることができると、配達員と受取人との接触リスクがなくなります。

また、置き配は家族の世話や在宅勤務で手が離せない人、急用などで到着時間に間に合わない人にもメリットがあるサービスです。

■「置き配」のデメリット

・デメリット1:盗難のリスクもゼロではない

玄関前や自転車かごなどに置き配すると、荷物を注文した本人が受け取る前に誰かに盗まれてしまうリスクもゼロではありません。

こうしたリスクは、セキュリティ機能付の宅配ボックスなどを設置することで対策することができます。

・デメリット2:間違った届け先になるリスク

対面での手渡しにならないため、置き配した場合は、そこで届け先が間違ったかどうか確認できないというリスクもあります。

こうしたリスクは、到着前後の連絡を両者が確実にすることで減らすことが可能です。

置き配をすでにしている大手の通販サイトでは、希望するお客さまに対して、配達完了時に置き配した場所の写真を送付しています。こうした方法を取り入れることで、届け先を間違えるといったリスクを減らせるでしょう。

大手の通販サイトなどでは、システム上でユーザーが置き配の場所を選択可能なので、その分間違った届け先になりにくいです。ただ、個人経営の飲食店では、そうしたシステムがないことが多く、電話対応などで置き配の場所を伝える必要が出てくるので、手間がかかることもあります。

・デメリット3:事前決済が必要

配達する側がキャッシュレス決済に対応しておらず、現金決済のままでは、お釣りの受け渡しが生じてしまうので、置き配することができません。

個人経営の飲食店も置き配に対応するためには、クレジットカード、デビットカードに対応する必要が生じます。

まとめ

いつまで自粛が続くのか分からない状況では、悪い面ばかりに目を向けがちですが、そんな中でも発想の転換によって前向きに取り組んでいる飲食店もあります。緊急事態宣言は解除されましたが、3つの密をさけるなど、今後も「新しい生活様式」に対応していくためにも、できることを各自が考え、時にはテレビ会議サービスなどを使って、同業者同士で情報共有の場を持つことが必要です。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)