訪日外国人観光客の国別の数や目的を知って適切な対策を行おう

お店に訪れる外国人観光客が年々増えてきて、本格的に対策を練らないといけないと考えている経営者が増えてきています。その場合、まず経営者が確認すべきなのは、どこの国から訪日外国人観光客が来ているかです。

訪日外国人観光客の国別の数や目的を知ることで、はじめて適切な対策を行うことができます。

ここでは、国別・年別の訪日外国人の数、訪日外国人の旅行の目的などをご紹介していきますので、対策の参考にしてみてください。

【国別・年別】訪日外国人の数

訪日外国人の現状を把握するために、近年の訪日外国人数の推移と国別の訪日外国人数を確認しておきましょう。

近年の訪日外国人の推移

・2015年:1,973万人
・2016年:2,403万人
・2017年:2,869万人
・2018年:3,119万人
・2019年:3,188万人

2015年から2019年の年別の訪日外国人観光客の推移[1]を見てみると、ここ2、3年は増加傾向に鈍りがあるものの、毎年増加していることが分かります。

近年の訪日外国人の推移をみると、1,000万人を超えた2013年から急激に訪日外国人の数が増えてきました。

少し統計を遡ってみると、訪日外国人数が初めて500万人を超えたのが2002年で、それから1,000万人を超えるまでには11年かかっています。

それが、2013年に1,036万人だった訪日外国人の数が、3年間で1,000万人以上増え、5年後には2,000万人も増えています。

急激な訪日外国人が増加しているのは、2009年に日本政府が、中国の富裕層向けの個人旅行のビザを発給したことが大きな理由です。

その後も、2015年にはビザの条件を緩和し、2017年には「数次ビザ(何回でも出入国を許可するビザ)」を発行してきました。

こうしたビザの条件の緩和に加えて、LCCによる航空運賃の低下、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことなども増加の理由になっています。

国別訪日外国人の数

・アジア
1.中国(959万人)
2.韓国(558万人)
3.台湾(489万人)
4.香港(229万人)
5.タイ(131万人)

・ヨーロッパ
1.イギリス(42万人)
2.フランス(33万人)
3.ドイツ(23万人)
4.イタリア(16万人)
5.スペイン(13万人)

・アメリカ・オーストラリア
1.アメリカ(172万人)
2.オーストラリア(62万人)
3.カナダ(37万人)

※2019年の国別訪日外国人数[1]

国別で訪日外国人数を見てみると、中国・韓国・台湾・香港の東アジアの国だけで、全体の70.1%を占めています。

東アジアの国々に東南アジアとインドを加えると、訪日外国人数全体の82.7%にまでなります。

アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリアの国々は全体の13%しか占めていないので、現在の訪日外国人はアジアがメインになっているということです。

2019年は、ほとんどの国で訪日旅行者数が過去最高を更新しています。東アジアでは、韓国を除く中国・台湾・香港で過去最高を更新しています。

東南アジアでも、タイ・シンガポール・マレーシア・インドネシア・フィリピン・ベトナムと軒並み過去最高を更新。

北米や豪州、欧州でも、訪日旅行者が多い主な国ではすべて訪日旅行者数が過去最高を更新しているということです。

訪日外国人、2020年はどうなる?

日本政府観光局(JNTO)の推計[1]によると、2020年1月の訪日外国人数は266万人で、前年同月比で1.1%減でした。

それが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって、2020年2月の訪日外国人数は108万人で、前年同月比で58.3%減という劇的な減少が起きています。

中国旅行社協会(中国の旅行会社を統括する協会)が、1月下旬に国外旅行を含むすべての団体ツアーなどの販売を禁止にすることを決定。

中国以外の東アジア地域の国、東南アジアの国でも海外旅行を控える動きが発生したことで、前年同月比で58.3%減という状況になりました。

2020年の訪日外国人数がどうなるかは、新型コロナウイルス感染症がどの時点で終息するかにかかっています。

新型コロナウイルス感染症が2020年いっぱい世界中で猛威を振るうことになれば、訪日外国人の数は激減することは避けられないでしょう。

日本と中国を結ぶ航空路線は、2020年1月時点で、新型コロナウイルス感染症の影響で、約7割も便数が減少しています。航空路線の減便が拡大も予想されますので、先行きは不透明です。

観光庁は、2020年の訪日外国人の数を4,000万人に設定していましたが、その大幅な見直しが迫られることは必至でしょう。

訪日外国人の数が増加しているなかでのオリンピックイヤーと、インバウンドでも大きな期待がされていただけに、新型コロナウイルス感染症の拡大は衝撃を与えました。

とはいえ、いつかは分からないものの、新型コロナウイルス感染症が終息する日は来ます。そして、訪日外国人の数が、新型コロナウイルス感染症が拡大する前と同水準まで回復するときも来るはずです。

インバウンド対策には導入するまでに一定の期間が必要になるものもあるので、今から対策を練っておくことで、訪日外国人が来たときに万全の状態でいられるでしょう。

訪日外国人の目的と対策

訪日外国人のニーズを満たすためには、訪日外国人がどんな目的で日本に来ているかをまず知っておく必要があります。そして、旅行の際にどんなサービスが必要であるかを把握しておけば、ニーズを満たす対策をすることができるでしょう。

訪日外国人の目的

日本人と外国人では、旅行の目的も大きく違います。なので、日本人の感覚で「訪日外国人はこういう目的で旅行に来ているのだろう」と考えると、まったくの見当はずれになることもありますので注意しましょう。

例えば、日本人であれば、国内旅行の目的で一番人気なのは「温泉」ですが、外国人にとっては「自然景観や神社・仏閣を見に行く」ほうが人気です。

訪日観光客を対象にしたアンケート結果では、「温泉」が旅行の目的でランキング上位に入っているのは韓国だけでした。

ほとんどの国では、「自然景観」や「寺社・仏閣」を見に行くことが日本の旅行の目的のランキング上位に来ています。また、日本食、ショッピング、地方、歴史文化なども人気です。

訪日外国人の不安と対策

・言葉が通じない

訪日外国人が日本に来て不安に感じるのが、言葉が通じないことです。訪日外国人がすべて英語を話せるというわけでもないので、訪日外国人がよく訪れるお店では、多言語対応が求められます。

多言語対応したお店にするために導入できるのが、オンラインの翻訳サービスです。

英語・中国語・韓国語・タイ語・ポルトガル語の5言語に対応している「クラウド通訳」なら、顔を見ながら「通訳さん」が話しますので質の高い通訳ができます。

訪日外国人とのコミュニケーションの問題は、「クラウド通訳」にお任せください。

・Wi-Fi環境が整備されていない

海外の観光地であれば、無料のWi-Fiに接続することがすぐにできますが、日本では観光地であってもWi-Fiが整備されていないところがまだ多くあります。

そのような観光地に店舗を構えているのであれば、お店にWi-Fiを導入することを検討してみてください。お店がWi-Fiスポットとして認知されるようになると、インターネットにつなぐ目的でお店に訪れる外国人が増える可能性もあります。

・キャッシュレス対応していないお店が多い

韓国や中国ではキャッシュレス化が日本よりも進んでいるため、お店での支払いにクレジットカードやモバイルでの決済ツールが使えないと不便に感じるかもしれません。

キャッシュレスに対応していないと、訪日外国人がお店で商品を購入することをためらうこともありますので、キャッシュレス化を検討してみるようにおすすめします。

お店に中国からの訪日外国人が多く来ているというのが分かっているのであれば、AlipayやWeChatPayといった中国でメジャーなモバイル決済のツールの導入を検討してみましょう。

モバイル決済のツールを導入しておけば、日本円の持ち合わせがない中国人でも商品の購入が可能になるので、消費額を伸ばすことにつながります。

まとめ

訪日観光客は年々増加していて、2019年は3,188万人もの旅行者が日本に来ました。国別では、東アジアの国からの訪日観光客が圧倒的に多く、全体の7割をも占めています。これからインバウンド対策を考えている小売店の経営者は、多言語化・Wi-Fiの整備・キャッシュレス化を検討することで、売り上げを伸ばす可能性を高めることができるでしょう。

▼出典

1. 訪日外客数・出国日本人数データ|統計・データ|日本政府観光局(JNTOhttps://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)