外国人来日数はどれくらい?今後さらに増加させていくためにはどうすればいいのか

訪日外国人観光客は、ここ10年ほどで増加の一途を辿っています。近年はグルメ体験や和服など日本独自の文化体験に加え、テーマパークやイベントによる集客効果も小さくありません。

オリンピック開催も目前に控えており、今後もますます訪日外国人観光客による需要が期待できますが、長い目で見ると受け身でいるわけにはいかないでしょう。積極的なインバウンド対策を行い、来日者のさらなる増加を招くための工夫が必要です。

ここでは、今後さらに訪日外国人観光客を増加させるためのポイントについてご紹介します。

外国人の来日数と滞在日数について

日本にとって外国人旅行者の代表的存在ともいえる中国人の「爆買い」が減ったことにより、インバウンド対策の効果が期待できないという方も多いのではないでしょうか。しかし実際は対象が爆買いから他の商品・サービスへ移ったに過ぎず、現在も多くの中国人をはじめとする外国人が日本を訪れています。

いったいどの程度の人数が訪日して、どの程度の日数滞在しているのか、この項目では具体的なデータとともに訪日外国人観光客の推移についてまとめました。

外国人の来日数と滞在日数

日本政府観光局 (JNTO) が発表したデータ[1]によると、過去5年間でも以下のように訪日外国人観光客は増加し続けていることが分かります。

・2015年…19,737,409人
・2016年…24,039,700人
・2017年…28,691,073人
・2018年…31,191,856人
・2019年…31,882,100人

次に、滞在日数についてです。

観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」[2]によると、訪日外国人観光客の平均滞在日数は9.1日となっています。

長期滞在の多い国についてご紹介します。

・ベトナム…35.2泊
・インド…23.1泊
・フィリピン…19.7泊

「観光やレジャーが目的」と限定すると、訪日外国人観光客の平均日数は5.8泊です。

その中で、長期滞在の多い国をご紹介します。

・ドイツ…14.1泊
・フランス…13.8泊
・カナダ…12.4泊

今後もますます外国人による来日は増加すると見込まれており、実際に最新データである2020年1月の調査結果では、昨年と同等の人数を記録しました。災害など季節によっては激しい増減を見せる可能性はありますが、2020年は東京オリンピックをはじめとする大イベントが予定されており、高い集客効果が見込まれます。長期滞在者も増加するでしょう。

実際、2019年に比べると韓国人観光客の減少が見られる2020年も、その他の諸外国からの訪日観光客が増加しており、結果的にプラスマイナス0に近い数字へ落ち着きました。たとえばイタリアやロシア、スペインの訪日者数は前年比14%以上のプラスとなったほどです。

滞在日数と消費の関係について

滞在日数が短いよりも長い方が、当然消費も多くなります。

滞在日数が少ないと、アクセスが良くて観光地も多い、東京や大阪などの都市部に集中するでしょう。

一方で滞在日数が長い場合だと、都市部だけでなく地方都市にも足を運ぶ傾向があります。

時間やお金がかかったとしても、アクセスのしづらい地域にも訪れたいと考えるのです。

そうすると、必然的に交通費、食費、宿泊費と消費活動が活発になります。

外国人観光客の来日数を今後も伸ばすためにできること

訪日外国人観光客の人数をさらに増加させるべく、政府や地方自治体主導によるさまざまな取り組みがなされています。しかし、現場で直接外国人と関わる民間企業との認識のズレがあったり、ニーズに対する十分な対応ができていなかったりと、効果を最大限発揮しているとは言えません。

増加傾向にある来日数を今後も伸ばし続けるためには、企業単位でインバウンド対策に取り組む必要があります。

では、実際にどのような対策が可能なのか、この項目では既に取り入れている企業も存在する具体的なインバウンド対策をご紹介します。

情報発信

第一に、情報発信が必要です。国内でいくらインバウンド対策を行い、国民に向けてアピールしたところで、メインターゲットの外国人客には届きません。

市場調査を行い、ターゲットに想定している層が最も利用している媒体を中心に、海外へ向けて情報発信しましょう。

近年多く活用されているものは、たとえば以下のような媒体・方法があります。

・WEBサイト
・動画配信サービス・投稿サイト
・海外の情報アプリケーションサイト
・インフルエンサーの活用

ブランドや企業のWEBサイトは、国内向けの他に海外向けのコンテンツを作成しましょう。同じ内容であっても見せ方を変えたり、対応言語を増やしたりのひと手間で外国人客が持つ印象は変化します。

若者を中心にアプローチしたい場合は、動画配信サービスや投稿サイト、専用アプリなどが欠かせません。広告出稿もひとつの手ですが、バズる(話題性を得る)ことを目的とするのであれば、専用チャンネルの作成とオリジナル動画の定期的な投稿が効果的です。

また、海外の情報アプリケーションサイトへ広告を掲載したり、海外に多くのファンを持つインフルエンサーを活用したりする手もおすすめです。

国やターゲットに合わせた多角的なアプローチで、より多くの顧客に認識されるブランド・商品を目指しましょう。

多言語化

店頭スタッフに限らず、広告やWEBサイトなど多言語化はインバウンド対策の基本です。地方はとくに多言語化が遅れており、大手旅行情報サイトの口コミページで「魅力的なのに言葉が通じなくて困った」など低評価をつけられる要因となっています。

どんなに高品質な商品を提供しても、良いサービスでもてなしても、言語のコミュニケーション不足で魅力は半減してしまうものです。

うちは既に外国語対応しているという方も、十分でない可能性を再度チェックしてみてください。たとえば中国人や韓国人の外国人客が多い中、英語の案内やメニューのみを用意していないでしょうか。需要に合わせて、第二外国語への対応も視野に入れることをおすすめします。

将来的により多くの訪日外国人観光客を受け入れることを想定している場合は、できる限り多くの言語に対応することが大切です。

コスト的・人材的に難しいときは、外部サービスの活用も検討してはいかがでしょうか。たとえばクラウド通訳はボタン一つで待機している通訳さん(通訳スタッフ)へつながるため、リアルタイムで顧客の要望を通訳してくれます。

翻訳アイテムやアプリも多く出回っていますが、こまかなニュアンスを伝えあうには、やはり人間同士のフィーリングを含めたやり取りが欠かせません。

飲食店や宿泊業、テーマパークなど、正しい情報提供とこまかなコミュニケーションが求められる業種は、とくにクラウド通訳がおすすめです。

キャッシュレス対応

スムーズな決済体験は、購買欲を維持してもらう・高めてもらうために重要です。せっかく持ってきたカードがあれも使えない、これも使えないと断られ続けてしまっては、高められていた購買欲がしぼんでしまい、店舗全体への低評価へつながります。

とくに中国・韓国は東アジアでもキャッシュレス化が進んでおり、2国からの観光客を多く迎えている日本も早急なキャッシュレス化が求められています。

・中国…デビットカードやQRコード決済が主流
・韓国…クレジットカード決済が主流

それぞれ上記のような違いがありますが、どちらの国もカードやスマホを活用したキャッシュレス化が日本以上に進んでいることは同じです。

キャッシュレス決済は現地で両替する必要がなく、まとまった現金を持ち歩く必要もないため旅行者にとって手軽な支払い手段です。訪日外国人観光客による消費を進めたい方や外国人の客単価をあげたい方は、キャッシュレス対応を検討することをおすすめします。

2020年現在は政府主導でキャッシュレス化が進められており、中小企業は初期費用を抑えてシステム導入できる制度も存在します。活用してお得に現金以外の決済方法を用意してはいかがでしょうか。

来日数の多いアジア諸国への対応

決済方法以外にも、訪日外国人観光客への対応で注意すべき点があります。中国人をメインターゲットとする企業で念頭に置くべき点は、中国にはネット閲覧規制が存在することです。

アメリカの世界的企業が提供する多くのネットブラウザやSNSなど、日本国内でも多くのユーザーがいるサービスは中国人が利用できないよう政府によって規制されています。

代用として、中国企業が提供する以下のサービスが人気です。

・百度(baidu)…中国最大の検索エンジン
・微博(weibo)…最も人気のあるミニブログサイト
・微信(WeChat)…決済も可能なメッセンジャーアプリ

中国人観光客に向けた情報発信をするときは、欧米発のネットサービスではなく、上記3つの中国発サービスを活用しましょう。とくに微博(weibo)は口コミ情報の拡散に向いており、微信(WeChat)は決済サービスが日本でも広く利用できるようになっているため、重視したいサービスです。

他にも、ASEAN諸国への対応に力を入れてはいかがでしょうか。中国・韓国ほどではないにしろ、多くの観光客が来日しています。

ベトナム・フィリピン・インドの3国を中心に、スマホユーザーをターゲットとした販促を進めましょう。西暦2000年以降に成人する、いわゆる「ミレニアル世代」は上記のASEAN諸国でも大半の人がスマホを活用しています。

まとめ

外国人の来日数は、アジア諸国を中心に年々増加傾向を見せ続けています。昨年や今年のみの一時的な傾向ではなく、10年ほど続く驚異的な増加率であることがポイントです。

今後も各業界で、訪日外国人観光客の存在を視野に入れたサービスや、商品の提供スタイルが求められるでしょう。中には飲食店など地方の個人経営点であってもインバウンド対策が求められる場合があります。

クラウド通訳による多言語化対応など、大掛かりな導入準備を必要としないインバウンド対策も多く存在します。まずはニーズを把握し、重要度の高い点からインバウンド対策を進めましょう。

▼出典
1.日本政府観光局「国籍/月別 訪日外客数(2003年~2020年)」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf

2.「訪日外国人消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析」平成29年 年次報告書
https://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)