外国人観光客のトラブル対策で参考にしたい事例

インバウンド対策に二の足を踏んでしまっている方の中には、「外国人への適切な対応がわからず、どう集客をして良いか分からない」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

しかし一方で、わずかな工夫でトラブルなく、多くの訪日外国人観光客を受け入れている同業他社も存在します。大々的な設備投資を行っている場合もありますが、実はコストを最小限に抑えながら外国人によるトラブルを減らすことは可能です。

ここでは、実際に日本各地で起きている訪日外国人観光客のトラブル事例とともに、具体的な対応策の例もご紹介します。

外国人観光客のトラブル事例

海外旅行に慣れた外国人観光客の多くは、現地のマナーを把握したうえで旅行を楽しむため、トラブルを引き起こすことはありません。しかし昔に比べると旅行が手軽にできるようになったため、現地の情報を十分に集めないまま自国と同様の過ごし方をする人も多く存在します。

結果、本人としては悪気なく行ったことであっても、現地の住人や他の旅行者からするとトラブルに発展しかねない場合があります。

この項目では、外国人観光客が引き起こすことの多い5つのトラブル事例についてまとめました。

撮影禁止場所での撮影

セルフィー(自撮り)が日常的な光景となった現在、日常的に利用する現地人からすると驚くような場所でも写真撮影を行っている人がいます。外国人観光客も例外ではなく、撮影禁止場所でも以下のようなトラブルを引き起こすことがあるほどです。

・撮影禁止の場所で撮影する
・重要文化財などデリケートな物品をフラッシュ撮影する
・撮影のために往来で立ち止まり、人の流れを止める

『写真撮影禁止』の文字やイラストによる案内板が設置されている場所でも、訪日外国人観光客のうち何人かは写真撮影を行っています。

撮影対象となるものは私有地や個人の所有物のみならず、重要文化財など取り扱いに注意すべきものも含まれていることが珍しくありません。人ごみの中で流れを止めるように立ち止まってまで撮影を楽しむ観光客が、他の訪日外国人観光客とトラブルを引き起こすケースもあり、とても危険です。

ごみのポイ捨て

ごみのポイ捨ても観光地の美観を損ねたり、放火のターゲットとなったりと、軽視できないトラブルです。ごみのポイ捨て問題自体は世界各地の観光地で起こっており、十分な対策が行われなければスペインやイタリアのように罰則を設けなければならない事態に発展しかねません。

現在、日本でも起こっているごみのポイ捨て問題は、以下のような事例があげられます。

・街中にポイ捨てをする
・ごみの分別ができていない
・不適切な場所にごみを置き去りにする

店舗の前や商品棚の間など、あえて見つからない場所へ隠すケースもあり、現地の店舗スタッフや企業は対策にコストをかけている状態です。

また、一部の国ではトイレに使用済みトイレットペーパーを流す習慣がなく、トイレの汚物入れやごみ箱が使用済みトイレットペーパーで溢れかえる事態も起こっています。

喫煙場所以外での喫煙

飲食店を中心に禁煙化の進む日本とは対照的に、外国人観光客の中には喫煙者が多く含まれます。そのため、以下のようなトラブルが日常茶飯事と化している観光地もあります。

・路上喫煙が多い
・吸い殻をポイ捨てする
・禁煙スペースでタバコを吸っている
・喫煙マナーやルールが通じない

禁煙や分煙に関する工夫・対策は、国によって千差万別です。そのため、そもそも禁煙スペースなど日本独自のマナーやルールを知らない可能性も否定できません。

多くの人が行き来する人気の観光地でも、歩きタバコや吸い殻のポイ捨てを行う人がおり、小さな子どもの安全面にも影響が出ています。

立ち食い行為

屋台文化のあるアジア諸国や食べ歩きが主流の欧米諸国など、外国人の多くは立ち食い行為に対する抵抗感がありません。そのため、外国人観光客が集まる有名スポットでは、以下のような光景を目にすることが少なくないでしょう。

・コンビニ前での立ち食い
・道端で食べる
・飲食禁止の店内で食べる

時間帯問わず立ち食いが行われるため、近隣住民は、深夜に大声で会話をしながら長時間コンビニ前で過ごしている外国人観光客に悩まされることもあります。

近年は犯罪防止やごみの量を減らす目的で、あえてごみ箱を撤去している町も多く、立ち食いトラブルは当然のようにごみのポイ捨てへ発展しています。

温泉の入り方

他人と一緒に入浴時間を共有することのない国も多く、(水着着用で楽しむケースはありますが)温泉を間違ったマナーで入る外国人観光客が度々問題となっています。

・タオルを湯舟につける
・かけ湯をせずにそのまま浸かる
・大浴場で子どもに排泄させる

ただし、近年は旅番組などの影響により日本人でもタオルを湯舟につけたり、かけ湯をせずに湯へ浸かったりする場合もあります。

外国人観光客のトラブルが起こる理由

日本人の感覚からすると信じられないようなトラブルを引き起こすことがありますが、すべての訪日外国人観光客が悪意から行っているわけではありません。中には純粋に現地のルールやマナーを知らず、自宅や自国と同じように振舞っているに過ぎない方も多いのです。

外国人観光客のトラブルが起こりやすい理由は、大きく分けると「文化の違い」と「注意書きなどの表示や暗黙のルールが理解できない」の2タイプです。

文化の違い

東南アジアの田舎など、国によってはごみのポイ捨てが当たり前となっている場合があります。そのため、国ごとにマナーやルールが異なることを知らない方は、自国と同じようにポイ捨てをしている可能性が考えられます。

温泉にいたっては入浴文化がなく、入り方自体が分からないという外国人が大半です。水着を着用したうえでプールのように楽しむスタイルは欧米諸国でも一般的ですが、日本のように裸で大浴場を共用することには慣れていません。

このように日常のこまかな部分でも、文化の違いによる認識のズレが起こっており、トラブルの原因となっています。

表示や暗黙のルールが理解できない

撮影禁止の表示が日本語で書かれており、理解できず撮影する外国人は少なくありません。また、日本と比較すると外国の多くはSNSアカウントを本名で作成したり、個人が特定できる状態で写真を世界に公開したりすることが一般的です。

そのため、肖像権やプライバシーに対する理解が日本人と異なっています。日本人が写真をSNSにアップする場合は周囲の無関係な人の顔が分からないよう加工を施すケースが大半ですが、海外ではそのような文化がないこともあります。

人ごみの中で撮影した写真を無加工のままアップする場合が多く、偶然映ってしまった周囲の方にとっては、無断でプライベートな写真を撮られてしまったと思うでしょう。日本のように「周囲の顔は加工する」など暗黙のルールや空気を読む習慣がないため、トラブルを引き起こすことがあります。

外国人観光客のトラブル回避の為に成功した京都府の事例

世界的にも日本情緒を感じられる美しい街並みである、と評価されている京都ですが、一方で急増した外国人観光客によるトラブルに地元住民からの苦情が相次いでいました。海外の有名観光地のように旅行者を制限すべき、という声がある中、観光業と地元住民の平穏を両立させるための取り組みが行われています。

この項目では、実際に京都府が行っている外国人によるトラブルやマナー違反への対策についてご紹介します。

リーフレットの作成

多くの人が持ち歩きやすいよう、手ごろなサイズのリーフレットで案内を行いました。リーフレットの特徴は、以下のとおり幅広いターゲットに浸透しやすい工夫を行ったことです。

・空港・観光案内所・宿泊施設に設置
・13か国の多言語に対応
・マナー違反の行為を具体的に解説
・ウェブページにも同様の内容を掲載

日本人がそうであるように、訪日外国人観光客のすべてが英語を使いこなしているわけではありません。13か国の多言語に対応し、具体的なNG例を解説することで、多くの人が手軽にマナーを理解できるよう配慮しました。

動画でも発信

文字離れが叫ばれている若者や、楽しみながら情報を得たい層にも発信できるよう、動画を作成しました。動画にはアメリカ生まれ京都在住のジェフ・バーグランド氏(京都国際観光大使)を採用することで、外国人観光客へ視覚的にも身近な印象を与えています。

・英語による音声
・字幕は中国語を採用
・日本のマナーについて紹介
・京都の観光スポット情報も発信

これらの工夫により、英語以上に使用人口が多い中国語圏の外国人観光客にも対応しました。中国や台湾など海外の多くの国では字幕文化が浸透しているため、字幕による案内は動画への没入を促してくれます。

マナー講座に留まらず観光スポットの案内情報も発信することで、堅苦しくなく楽しんでもらえる動画に仕上がっている点もポイントです。

外国人観光客とのトラブル回避のために

訪日外国人観光客のマナー違反を嘆く前に、もてなす側も取り組むべき課題があります。まずはお互いの文化が違うこと、国ごとにマナーやルールは異なることを理解したうえで情報の発信や対策が必要です。

前述した京都での事例は、地方自治体でも採用できるものばかりです。

■多言語化した案内や表示を使用する

「ごみ箱はこちらです」「大声での会話はご遠慮ください」など、注意してほしい点を具体的に表示しましょう。日本語やピクトグラム(イラスト)だけではなく、多言語に対応させることがポイントです。

■冊子やリーフレットを作成する

日本のマナーについて、誰でも手軽に知ることができるよう、冊子やリーフレットにまとめるのも選択肢のひとつです。外国独自の習慣やマナーに魅力を感じる方は、少なくありません。好奇心をくすぐるような内容を意識して制作しましょう。

観光施設や公共交通機関の乗り場など、旅行者が利用する機会の多いスポットで配布すると効果的です。

■音声翻訳のデバイスを導入する

注意書きや冊子では伝えきれないニュアンスを、上手に伝えてくれるツールが音声翻訳のデバイスです。美術館やテーマパークではおなじみですが、街中や店舗内で活用できるものも検討してはいかがでしょうか。

早期の導入が難しい場合は、クラウド通訳もおすすめです。クラウド通訳とは端末の向こう側に通訳さん(通訳スタッフ)が待機しているリアルタイムの通訳サービスで、翻訳機にはないこまかな対応が可能です。

音声翻訳のデバイスや冊子による説明では伝わりにくかった部分や、イレギュラーな質問に対してもスムーズに通訳することができます。

まとめ

こちらでご紹介したトラブル事例は、異国への文化の理解が不足していることによって起こっていることがほとんどです。訪日外国人観光客ゆえの認識のズレを理解したうえで、言葉や文化の異なる外国人に対してできる案内や対策のひとつとして参考にしてみてください。

リアルタイムの多言語化ができるクラウド通訳のように、特別なマニュアルを用意せずとも導入できるサービスもあります。新たな人材を店舗ごとに雇い入れるよりも安価に済む場合があるため、スピード導入やコスト面を重視する方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)

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