インバウンドにはなぜキャッシュレスなのか?

外国人観光客や移住者が増え、日本各地でもキャッシュレス対応が普及しつつあります。

インバウンド対策を検討している会社や店舗では、とくにキャッシュレス化の必要性を痛感しているのではないでしょうか。

ここでは、何故インバウンド対策にキャッシュレスが必要なのか、外国人観光客の多くに共通する特徴についてご紹介します。

インバウンド観光客にキャッシュレス決済があたりまえな理由

インバウンド需要へ対応するには、キャッシュレス決済は欠かせないポイントです。

外国人観光客の母国の大半はキャッシュレス決済が浸透しており、中でも最もキャッシュレス化が進んでいる国は、韓国です。

日本政府観光局が発表した2018年時点の国別訪日観光客数では、外国人観光客の半数以上を中国・韓国からの旅行者が占めていました。どちらもクレジットカードに加え、QRコードを利用したスマホ決済などが日常的に使用されている国です。

また中国の場合、海外旅行先で銀行カードを使用した現金引き落としの限度額が厳密に定められていることも影響し、日本国内でも主にキャッシュレス決済を利用しています。

このような事情もあり、キャッシュレス決済が利用できない店舗に対してストレスを感じる外国人観光客は少なくありません。中国や韓国以外の国からの旅行者も同様です。

これらを踏まえ、キャッシュレス決済ができない店舗は機会損失につながるでしょう。

外国人観光客の増加によって活気を取り戻した地方の観光地も多く、今やインバウンドを進めるうえでキャッシュレス化は切り離すことのできないほど重要です。

日本のキャッシュレス環境は遅れている

日本は海外諸国に比べて、キャッシュレス環境が遅れています。

数多くの電子マネーが乱立しており、一見キャッシュレス化が進んでいるかのように見えますが、世代間の利用数に大きな格差があるのは事実です。

日本のキャッシュレス環境は?

前述のとおり、日本のキャッシュレス環境は決して先進的ではありません。

近隣の国々と比べても、中国の約3分の1、韓国の約5分の1程度の普及率です。

日本のみ現金主義を貫く環境が維持されている理由は多々ありますが、第一の理由は現金を下ろす環境が良いことがあげられます。

コンビニや大手商業施設、駅の改札内などあらゆるスポットにATMが設置されており、地方銀行のキャッシュカードであっても現金を引き出すことが可能です。

海外のように機械の故障がいつまでも放置されることはなく、偽札がATMから出てくることもないため、誰もが安心してATMを利用しています。

近年でも現金への絶対的信頼は損なわれず、大型連休前になるとATMでお金を下ろす人による長蛇の列ができあがり、ATMの金銭が底をつくニュースも報道されました。

特に地方では遅れている

日本国内でも、若者を中心にキャッシュレス化の波は広がっています。

コンビニや飲食チェーン店など手軽に利用できるスポットが多いことも影響し、都市圏ではめざましい普及です。

一方で、地方ではキャッシュレス化に対応していない店が多く、ユーザーも使う機会の少ないキャッシュレス決済に手を出す方は多くありません。

しかしインバウンド対策など必要に応じ、今後は地方を中心としたキャッシュレス決済のシェアを、各社で奪い合うことになるでしょう。

キャッシュレス機器導入の補助金

キャッシュレス機器を導入するには、コストがかかります。

QRコード決済のように印刷されたQRコードのPOPを設置するだけで導入できる場合もありますが、中にはカードリーダーなど専用機器がなければ利用できない決済システムも複数あげられます。

決済1回あたりに発生する手数料などの問題もあるため、これらコスト面の事情はキャッシュレス化が進まない原因とも言えるでしょう。

しかし、消費税10%への増税とともにスタートした「キャッシュレス・消費者還元事業」により、一定条件をクリアした事業者はキャッシュレス化のサポートを受けられます。

補助金が出されるためキャッシュレス化の初期費用を抑えることが可能です。

キャッシュレスの種類

キャッシュレス決済の種類は、大きく分けて専用カードを利用する「カード決済」と、スマホにアプリなどをダウンロードして使用する「モバイル決済」の2通りがあります。

<カード決済の種類>

決済手段

クレジットカード

デビットカード

電子マネー(プリペイドカード)

概要

利用者の信用に基づいて各カード発行会社や金融機関が発行した、カードによる支払い

銀行口座情報に紐づけられたカードにより、口座残高を利用して即時支払いする方法

事前に一定金額が支払われ(チャージされ)ており、残高の範囲内で支払える方法

支払い形式

後払い

即時払い

前払い

メリット

分割支払いができる

口座残高があれば限度なく利用できる

事前チャージにより使い過ぎを防ぐことができる

デメリット

カード発行には事前審査がある

後日支払いや分割支払いができない

チャージできる場所が少ない

 

以前は働き盛り世代を中心に高い人気を誇っていたクレジットカードですが、近年は20代を中心にクレジットカードを持たない方も増えています。

利用には事前審査に通過しなければならず、また即時発行できない場合が多いため、その他のキャッシュレス決済へ人気が分散している状態です。

デビットカードは、紐づけられた銀行口座に残高がある限り利用できる決済方法です。

日本国内では普及率は1割程度ですが、海外での現金引き出しに制限のある中国では主流となっており、クレジットカード感覚で活用されています。

自分名義のクレジットカードを持てない学生など、若者を中心に浸透している決済方法が電子マネーなどのプリペイドカードです。たとえば交通系ICカードなどは誰でも即日発行できるメリットがあり、使用できる店舗も多種多様です。

一方で残高のチャージ方法に制限があり、現金でチャージする場合は駅の切符売り場やコンビニなど、限られた場所で行わなくてはならない不便さも持っています。

<モバイル決済の種類>

決済手段

非接触型決済

コード決済

モバイルオーダー・ペイ

概要

クレジットカード情報やアカウント情報などを紐づけたスマホで専用リーダーにタッチする方法

専用アプリで表示されたQRコードやバーコードをスキャンすることで支払う

専用アプリから注文・決済まで行い、商品は店舗などで受け取る方法

支払い形式

前払い
即時払い
後払い
(使用方法による)

前払い
即時払い
後払い
(使用方法による)

前払い
即時払い
後払い
(使用方法による)

メリット

引き落とし方法を通信キャリア・クレジットカード・ネットバンキングなどから選べる

フリマアプリの売上などを流用できる

こまかい現金を持ち歩く必要なくタクシーや出前を利用できる

デメリット

非対応の店舗が多い決済方法もある

種類が乱立しており一部の支払い方法は非対応の店舗も多い

非対応の店舗も多い

 

モバイル決済は、スマホを財布代わりに使用する決済方法です。

管理はあらかじめダウンロードして専用アプリで行い、その場で使用した金額や残高を確認することができます。

ただし、モバイル決済では、種類が乱立しており、一方の決済方法に対応していても他の決済方法には対応していない場合が珍しくありません。そのため、使用するアプリによっては使い勝手の悪さを感じてしまいます。

また、コードをスキャンする方法での決済方法は、店舗側がコードを読み取る場合とユーザー側が読み取る場合の2通りがあります。

ユーザーが読み取る場合は、その後専用ページで支払い金額を手入力しなければならず、ユーザーにとってわずらわしさを感じる方法です。

しかし、各決済方法には上記の通りメリットもあげられます。

訪日外国人旅行者がストレスなく日本での旅行を楽しめるよう、受け入れる側にはキャッシュレス化への対応は必要です。

おもてなしの一環として、まずはキャッシュレス決済の導入を始めてみてはいかがでしょうか。

キャッシュレス決済トラブルで困ったときに便利なサービスを紹介

外国人にとって手軽なキャッシュレス決済ですが、決済自体が簡単でもトラブルが起こることもあります。たとえば消費税の問題です。

消費税別の価格表示をしている店舗が多いため、外国人の多くは「表示されていた金額とレジで請求された金額が違う(値上がりしている)」と驚いてしまいます。

レジ担当者が外国語で説明できれば問題ありませんが、必ずしも店員全員が外国語を使いこなせるとは限りません。

また、旅行者の中にも英語が通じない人がいるため、簡単な英語での意思疎通すら困難なケースもあります。

お金の絡む問題では、後々大きな問題に発展する可能性が高いため、誤解のないやり取りが必要です。そのようなときには、クラウド通訳が役立ちます。

クラウド通訳とは、関西電力グループが手掛けるサービスで、実在する担当者によるリアルタイムでの通訳サービスが魅力です。

機械による翻訳とは異なり、相手の声や話すスピードなどからニュアンスをしっかり読み取るため、問い合わせや要望を的確に聞き出すことができます。

使用時は専用アプリを1タップするだけのお手軽さで、通信会社ならではの品質。相手に寄り添った通訳により、意思疎通のズレが引き起こすトラブルに対する強さが魅力のひとつです。

まとめ

国をあげてインバウンド対策が行われている近年は、たとえ小規模経営の店舗や会社であってもキャッシュレス化が求められます。

現金使用に安心感を覚える日本人が多いことも事実ですが、一方で「〇〇ペイ」などさまざまなキャッシュレスサービスがユーザーを集めていることも事実です。

こちらでご紹介しているとおり、キャッシュレス化を進めた場合によるトラブルのリスクもあります。しかし適格な意思疎通ができれば、避けられるトラブルです。

インバウンド化にともなうキャッシュレスで外国人旅行者とのトラブルを懸念している方は、ぜひクラウド通訳もあわせてご検討ください。

(上記掲載の内容は、掲載日時点のものです。あらかじめご了承ください。)